アレルゲン免疫療法って?
秋も深まりつつある近頃、耳鼻咽喉科では風邪症状の患者さんとともにアレルギーの患者さんが多くなってます。
なんのアレルギーが多いのでしょうか?、
『秋の花粉症!』とお思いの方が多いかと思います。もちろんキク科のブタクサやヨモギ科のヨモギなどの秋花粉は大切なアレルゲン(アレルギーの原因物質)です。
秋花粉と同時によく原因になるのがハウスダスト(ダニ)なのです。
ハウスダストは1年中なのにどうして?
もちろんハウスダストは1年中ありますが、ハウスダストの1番の原因であるダニが関連しているのです。実はダニは梅雨時期から夏にかけて増えていく秋にかけて死んでいくのです。その死骸やふんが原因となるために秋になるとアレルゲンとなるダニが一番多くなるのです。
ということはハウスダストは1年中あるけど秋に一番多くなるから秋に症状が出やすいということになります。
ではどんな症状が多いのでしょうか?
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどは出てきそうですね。
これ以外でよくあるのが咳です。咳しか出ない場合もありますので『風邪だろう』ではなく
軽い咳でも1週間以上続きようなら疑ってみて病院に行きましょう!
タイトルにあります『アレルゲン免疫療法』とはアレルギーが完治する可能性のある唯一の治療法です。
そもそもアレルギーとはなんでしょうか?
簡単に言いますと勘違い病なのです。勘違い?って何と何を勘違いするのでしょうか?
ハウスダスト(ダニ)や花粉を人の体に入ってきてはダメな細菌やウイルスと勘違いして、外に追いやろうとするときにくしゃみや鼻水・鼻づまり、咳という症状になるのです。
その誤解を解こうとするのがアレルゲン免疫療法なのです。
具体的にはアレルゲン(アレルギー原因物質)を少しずつ体に入れていくことによって反応しなくてよいということを体に覚え込まそうという方法です。
体に入れる方法に皮下に入れるやり方と舌下に入れるやり方があるのです。注射で皮下に入れる方法は何10年も前からあるのですが、テレビなどでご存知の人もいるとは思いますが舌下に入れる薬が最近発売されたのです。
そういう意味ではアレルゲン免疫療法というのは最近できた治療法ではないのです。昔からある治療をより患者さんがしやすいように『注射器を使わない舌下免疫療法』が始まったのです。
当院ではアレルゲン免疫療法を行っております。
この治療法はアレルギーを根治出来うる唯一の治療ですが、注意点もいくつかありますので詳しくは診察時にご相談ください。
西宮市でアレルギー性鼻炎・花粉症の診療、免疫療法・レーザー治療を行っている耳鼻科『わしお耳鼻咽喉科』のスタッフブログです。
この記事を書いた人
わしお耳鼻咽喉科 院長 鷲尾 有司
地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。
アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。
子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。