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コロナとアレルギー





皆さんが頑張って行った自粛の効果も徐々に見える形で出てきて、コロナウイルス感染症が減少し、兵庫県における緊急事態宣言が解除されました。しかし、残念ながら、新型コロナウイルスがいなくなったわけでもありません。収束しつつありますが、終息していません。今後、来るかもしれない第2波、第3波に対しての準備をしておかないといけないのです。

では、どんな準備しておいた方が良いのでしょう。まずは敵(コロナウイルス)を知っておきましょう。もう一つは味方(自分)を知っておくことも大切です。

そこで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とコロナとよく似た症状の風邪とアレルギーとの関係を整理しておきましょう。

風邪とアレルギー

風邪という言葉には2つの意味がある

以前のブログでもお話ししましたように、風邪という言葉には2種類の意味があるのです。
狭い意味での風邪はウイルス性上気道炎という意味になります。しかし、風邪は、鼻やのどの調子が悪い、もしくは、体調が悪い、というぐらいの大雑把な意味で使っていることが一般的には多いのではないでしょうか。医療者でも広い意味での風邪の方が多く使われていると思います。

使われている風邪という言葉は広い方、狭い方のどちら意味で使われているのか?を間違えてしまうと混乱してしまうかもしれませんね。

 

花粉症・アレルギーにも広い意味と狭い意味がある

花粉症も、アレルギーも、皆さんが普段からよく耳にする言葉ですよね。聴きなじみのある言葉のためにイメージのみで理解していることも多いかと思います。そこで言葉を整理するために花粉症という言葉にもアレルギーという言葉にも広い意味と狭い意味があるということを説明します。

花粉症というとまず最初に連想するのは「スギ花粉症」でしょう。もちろん、日本で一番多い花粉症はスギです。春に花粉症の症状があればスギ花粉症を第一に疑います。では、ここで春というのは何月を指しているのでしょうか?

3~4月ぐらいを春と言っていると思いますが、花粉症を考える時には3月はスギ花粉症、4月はヒノキ花粉症を疑います。しかし、スギはヒノキ科の樹木ですので、スギとヒノキは家族みたいな関係になります。そのためにスギ花粉症とヒノキ花粉症を両方持っていることは非常に多く、まとめてスギ・ヒノキ花粉症といい、狭い意味で花粉症と省略しています。

もちろん、スギ・ヒノキ以外にも花粉症の原因になるものはたくさんあります。カモガヤやオオアワガエリなどのイネ科やブタクサ、ヨモギなどのキク科が有名なスギ・ヒノキ以外の花粉症を引き起こす花粉です。3月、4月以外に花粉症の症状があればスギ・ヒノキ以外の花粉症を疑う必要があります。

花粉症はあくまでも花粉によるアレルギーのみを意味する言葉ですので、花粉以外のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に使ってしまうと誤解してしまう恐れがあります。例えば、ハウスダストやダニによるアレルギーです。大人ではアレルギーの原因で一番多いのは花粉になりますが、小児では最も多い気道アレルギー(食物以外で)はハウスダスト・ダニです。ハウスダスト・ダニが「1年中ある=1年中同じぐらいいる」というイメージになってしまうためにハウスダスト・ダニアレルギーが花粉症という表現になっている場合があります。実はハウスダストの中で一番の原因であるヒョウヒダニは1年の中で秋に最も多くなります。すなわち、秋に花粉症の症状があればスギ・ヒノキ花粉症以外の秋の花粉症もですが、花粉症以外のアレルギーであるダニアレルギーも疑わないといけません。

さらに広い意味でのアレルギーには特異的なアレルギー(狭い意味でのアレルギー)以外に非特異的な刺激による過敏症も含まれています。特異的と言うのはダニやスギ花粉などアレルギーの原因が特定できているものです。非特異的刺激というのは、例えば、黄砂やpm2.5、温度差など誰でも影響が出るものによる刺激です。刺激が強ければどんな人でも影響がありますが、少しの刺激でも敏感・過敏な人は反応してしまうのです。黄砂の場合、たくさん飛散すればすべての人に影響を及ぼしますが、少量の飛散であれば敏感な人にしか症状が出ないことになります。

「風邪か?アレルギーか?」と「風邪も、アレルギーも」

新型コロナと風邪

コロナウイルスは風邪の原因ウイルス

ここでの風邪は狭い意味である風邪(=ウイルス性上気道炎)についての説明になります。風邪の原因ウイルスとしては下の表で示しましたようにたくさんあるのですが、有名なものがライノウイルスとコロナウイルスです。この2つのウイルスで風邪の半分ぐらいを占めてしまいます。

特徴的な症状や流行性がなければ、インフルエンザやプール熱の原因であるアデノウイルス、手足口病・ヘルパンギーナの原因であるエンテロウイルスもウイルス上気道炎、すなわち風邪という診断になりますし、乳児で注意が必要なRSウイルスや小児で注意が必要なヒトメタニューモウイルスの場合でも症状が軽かったり、大人であったりすれば、風邪という一括りの中に入ってしまいます。

 

風邪は一般的には自分自身の免疫力で1週間ぐらいで治ってしまいます。インフルエンザウイルス以外のウイルスには現在のところ特効薬は存在しません。自分の免疫力でほとんど重症化することなく治癒するので必要がないとも言えます。インフルエンザであっても経過が良ければ、必ずしも検査や投薬治療が必要なわけではありません。風邪は特別な症状や状況がなければ「検査も治療も必要でない病気」であり、風邪の原因ウイルスである今までのコロナウイルスは検査で検出する必要がない感染症でありました。

コロナウイルスには7種類ある

コロナウイルスには60種類以上あるといわれていて、多くは動物のウイルスです。その中で、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)が出てくるまで、ヒトからヒトにうつすコロナウイルスは6種類ありました。4種類は風邪(狭い方)の原因ウイルスであり、あとの2つはSARS(重症急性呼吸器症候群)とMERS(中東呼吸器症候群)です。SARSやMERSはニュースなどで聞いたことがあるかもしれませんが、今まで日本国内での発症は報告されていません。そのうち、SARSは2004年以降、世界でも報告がない状態であり、WHOからも終息宣言が出されています。MERSは現在も中東付近では報告があります。

新型コロナウイルスはどうなっていく?

今後、新型コロナウイルスはどうなっていくのでしょう。現状では2つのパターンが想像されます。

一つ目のパターンはSARSのように終息する場合です。世界でのSARS感染者は8000~9000人程度(WHO報告)であり、1年足らずで終息出来ました。日本での感染者がいなかったためにいつの間にか終息していたのです。

一方で、現在の感染者数が世界で500万人を超えてしまっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは比べものにならないほど感染者が少なかった(十分多いのですが)ので、SARSは終息できたとも言えるかもしれません。となると、終息は難しい、仮に終息できたとしても、世界的な感染の広がりを考えると、かなりの年月がかかる可能性が高いでしょう。

二つ目のパターンは5種類目の風邪のウイルスとなる場合です。この状況になるには多くの人が一度感染することによって、集団免疫を得ること、とその結果で重症化のリスクが他のコロナウイルスと同じぐらいになること、で風邪の一つになるでしょう。場合によっては、定期的なワクチンと抗ワクチン薬でインフルエンザのような共存する形になるかもしれません。

新型コロナとアレルギー

初夏のアレルギーはイネ科と黄砂・pm2.5

狭い意味での花粉症はスギ・ヒノキ花粉によるものであり、ゴールデンウィークを過ぎたころには花粉飛散終了となって、落ち着ているでしょう。しかし、まだアレルギー症状がある、もしくは続いている人の原因は何でしょう?

ここで疑うのは、①広い意味での花粉症 ②花粉以外のアレルギー ③広い意味でのアレルギー の3パターンです。

初夏にアレルギー症状があれば、具体的に疑うのは、①この時期に多い花粉症=イネ科の花粉症 ②1年中、気を付けるアレルギー=ハウスダスト・ダニ ③この時期に飛んでくる刺激物=黄砂・pm2.5 となります。もちろん複数の原因が混在している場合も考えられます。

新型コロナの症状は風邪やアレルギーとよく似ている

新型コロナウイルス感染症の症状は、残念ながら「この症状があればコロナ」といった特異的な症状はなく、多彩なものになります。ニュースなどでも嗅覚障害や味覚障害も取り上げられていますが、確かに新型コロナウイルスでは多い傾向にあるかもしれません。しかし、アレルギーや花粉症でも風邪でも現れることのある症状です。コロナに感染した方でも「元々鼻炎があるのでわからなかった」という話が出ています。

また、咳や息苦しさもアレルギー性の咳である気管支喘息・咳喘息・アトピー咳嗽などと混ぜってしまえば、アレルギーだけの症状なのか? アレルギー+風邪なのか? アレルギー+コロナなのか? 一層わからなくなってしまいます。

元々風邪の症状と似ているコロナの症状に、さらによく似ているアレルギーの症状が混ざってしまえば判断が余計に難しくなります。

 

コロナ疑いのない時にこそ、アレルギーの診断と治療を

アレルギーの治療を行う上で欠かせないことはアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)が解ることです。このことは敵を知ると同時に自分を知るということになります。すなわち、自分の体質を知るということです。

その第一歩はアレルギー検査になります。一般的には血液検査となりますが、検査結果を聞きに来ることができない場合や採血が苦手な子どもさんの場合は簡易アレルギー検査(アレルギー検査について♬)もあります。あくまでも簡易ですので、可能であれば標準的な検査の方がいいでしょう。もし血液検査で陰性であっても、症状的にアレルギーが疑われるのであれば、皮膚テスト(プリックテストなどで、パッチテストではありません)を行います。

症状と検査によって診断をつけることが大切です。

その上で、自分のアレルギーをしっかりと理解してコントロールをしておくことが、コロナの第2波が来た時に、判断をしやすく重症化のリスクを下げることにつながります。

もちろん、自粛の時に学んだことを普段から実行して第2波が来ないようにすることが最も大事です。「また緊急事態宣言」なんてことになれば大変です。

スギ花粉からヒノキ花粉へ





そろそろスギ花粉の飛散が落ち着いて、ヒノキ花粉の飛散が始まる時期になります。ヒノキ花粉症もある人は油断せずにもうしばらく対策を続けましょう。

でも、スギ花粉症とヒノキ花粉症とはどう違うのでしょうか?

 

スギ花粉症とヒノキ花粉症の違いは

基本的には同じ花粉症の症状になりますが、時期的に違いがあります。簡単にいうと、3月がスギ花粉の飛散時期、4月がヒノキ花粉の飛散時期になります。

ではどんな人がヒノキ花粉症を疑うのでしょうか?

4月に花粉症の症状がある人がヒノキ花粉症を疑う人ということになります。でもアレルギー検査をしていなかったり、検査をしていてもヒノキ花粉の抗体が陰性であったりすると、スギ花粉症の方が有名なために「4月に花粉症症状があってもヒノキ花粉症ではない」ということになってしまいがちです。もっともイメージしやすいのは「スギはヒノキ科の樹木」であることを知っておけば、スギ花粉症とヒノキ花粉症は兄弟みたいな花粉症であるとわかりますね。

ということは「スギ花粉症の人(3月に花粉症症状がある人)が、今までに4月にも花粉症症状があれば、ヒノキ花粉症を疑います」となります。これはたとえ検査でヒノキ花粉の抗体が陰性であったとしても、4月に症状があればヒノキ花粉症の疑いがあるのです。残念ながら、アレルギーの血液検査は100%間違いないということはないのです。特に採血した時期や抗体の検査感度によって結果は違ってくるので、症状と合わせて検査結果を判断する必要があります。

 

西宮市でのヒノキ花粉の飛散状況

西宮市環境衛生課の資料より過去5年のヒノキ花粉の飛散状況を見てみましょう。

初観測日は年によってまちまちですが、本格的な飛散開始を示す飛散開始日は3月下旬からになっていますね。

今年もそろそろヒノキ花粉にも警戒が必要な時期になってきました。

ヒノキ花粉のピークはこれも年によって違いはありますが、4月上旬から中旬にかけてなので特に注意が必要なようですね。

また、飛散終了はゴールデンウィークごろになっていることが多いです。これはあくまでも予想です。自然は気まぐれでもあるので、あと1か月から1か月半は花粉症の対策をしっかりとしておいた方が無難です。

 

さらにこの時期に来年の2021年の対策も立てておいたほうがよいでしょう。

 

スギ花粉のピークと新しい花粉症の薬~ゾレア~





花粉症の方はもうすでに症状が出始めたという方が多くなってきたのではないでしょうか?当院でも花粉症の治療で受診される方が多くなってきました。まだ症状が出ていない花粉症の方もこれからが飛散の本番になるので、「今年こそは大丈夫」と期待せずに、今のうちから治療を開始しましょう。

ところで、スギ花粉のピークはいつ頃なのでしょうか?

スギ花粉のピークは3月上旬

花粉情報協会(http://pollen-net.com/)によりますと、2020年の西宮市における花粉初観測日は1月17日で飛散開始日は2月3日でした。例年に比べると、暖冬の影響か、かなり早い飛散開始日となりました。西宮市におけるスギ花粉情報を西宮市環境衛生課に提供して頂きました花粉飛散量情報のグラフから見てみますと、もちろん年によっての飛散時期や飛散量のバラツキはありますが、3月上旬にピークが多い傾向にあるようです。このグラフからでも、飛散開始が早くなっても飛散終了が早くなるわけではないようですので、やはり4月上旬までは注意しておきましょう。さらにヒノキ花粉症がある人はもう1か月は延長して治療が必要になります。

新しい花粉症治療薬 〜ゾレア〜

花粉症に対して、気管支喘息や慢性蕁麻疹の治療薬である抗IgE抗体のゾレア(オマズリマブ)が花粉症治療薬として新しく承認されました。今までの花粉症の薬とは異なる、抗体製剤といわれる薬剤です。この薬は使用にあたり、大きく2つの条件があります。

①12歳以上(体重が20~150kg)の「重症」花粉症の方

②既存の内服薬や点鼻薬で十分な効果が得られないの方

誰でも使える薬ではなく、かなり制限された方に使用することになります。ではどんな人が具体的には使用対象になるのでしょうか?

重症花粉症とは

花粉症などのアレルギー性鼻炎には重症度の分類があります。くしゃみ回数、擤(こう)鼻回数、鼻閉程度によって軽症から最重症までの4段階で分類されています。擤鼻回数とは鼻をかむ回数で1日に11回以上鼻をかむ人が重症以上になります。この花粉症症状の中で一つでも重症以上の症状があれば、重症花粉症ということになります。花粉症の方でこの基準にあてはまる方はたくさんいるかと思います。

 

今までの治療で十分な効果がない人とは

重症以上の花粉症の方に、「もう一度」、1週間は抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などで治療します。それでも効果が不十分で重症もしくは最重症の状態の人が治療の対象となります。

「今まで薬が効かなかったです」ではなくて、再度、薬で治療してみて効果が不十分であった人が対象となります。

 

血液検査でも条件があります

①スギ花粉特異的IgE抗体がクラス3以上

②「ゾレア投与前」の総IgE値が30~1500IU/mlの範囲にある

これらの条件もクリアする必要があります。

 

ゾレアは自己負担額が高額になる可能性があります

もう一つ、ゾレアには治療費が高額になる可能性があるという点も気にしなくてはなりません。投与量が人によって異なるために、自己負担額がいくらになるかは個人差があります。どれくらいになるかの目安はゾレアのHP(https://hajimete-xolair.jp/)を参考にしてみて下さい

 

いろいろな制約があるゾレアですが、花粉症の治療に選択肢が一つ増えたということですので、花粉症で困っている方にとってはありがたい話ですね。当院ではゾレアも含めて、花粉症治療に対する多くの選択肢を持っております。ご相談しながら、短期的だけではなくて長期的な治療も含めて、より良い治療を目標にしております。

また、今シーズンの花粉症は新型コロナウイルス感染症などでマスクが手に入りにくい状況が考えられます。例年以上に治療計画をしっかり立てて、快適な春を過ごせるようにしましょう。

 

 

 

 

花粉の飛び始めとは ~2020年の予想~





そろそろ花粉が飛び始める時期が近づいてきましたね。

ところで「花粉が飛び始めた」ということはどういうことなのでしょうか?

花粉が飛び出すもっと前から花粉症の症状が出ているから、もう花粉が飛んでるんじゃないの?って思ったことはないですか。

 

飛散開始日と初観測日

実は花粉の飛び始めということには「飛散開始日」と「初観測日」の2種類あるのです。

初観測日というのはその通りで初めてスギ花粉が観測された日のことです。ただし、1月1日からの初観測ですので、前の年の12月に飛んだ分の花粉はカウントされないのです。次に、飛散開始日というのは1月1日を過ぎて、観測プレパラートで1個/㎠以上の日が2日連続飛散した初日のことを言います。ということは、花粉が飛んでいても、1個/㎠以上飛ばなかったり、2日連続で飛ばなかったりすればカウントされないということになります。一般的には「花粉の飛び始め」は花粉飛散開始日のことを言うので、初観測日から飛散開始日の間は花粉が飛んでいる日があるけど本格的にはまだ飛んでいないということになります。簡単に言うと花粉飛散開始日というのは「本格的に」花粉が飛び始めた日という意味になります。

ちなみに飛散終了日というのは観測プレパラートで3日連続で0個だった日の最初の日ですので、そのあとにたまに花粉が飛んでもカウントされないのです。

では2020年のスギ花粉飛散開始日の予想はどうなっているのでしょうか?

2020年のスギ花粉飛散開始時期日本気象協会の予報では、関西は例年通りで、バレンタインデーを少し過ぎた2月24日ごろの予想になっています。

 

西宮市の飛散開始日と初観測日

下の表は西宮市の過去5年間の初観測日と飛散開始日を西宮市環境衛生課の資料を基に示したものです。

わしお耳鼻咽喉科のあるのは中部になりますので、年明けごろにスギ花粉の初観測がされてから、2月20日前後から本格的に飛散開始になることが多いようです。

もちろん、花粉の飛散は自然現象ですので、その年の気象条件によって変わるので、あくまでも参考です。余裕をもって対策を立てることが大切になります。

ヒノキ花粉の飛散開始日は3月下旬ごろであり、少なくとも5月上旬のゴールデンウィークまでは注意が必要ということです。年によっては5月中旬まで気を付けなければならない時もあります。

 

2020年の花粉飛散量予想

2020年のスギ花粉飛散量の予想では日本気象協会(第2報)でもウェザーニューズでも昨シーズン(2019年)よりも非常に少ない傾向にあります。

2020年の花粉飛散量(前シーズン比)box1

また、2020年は例年と比べても少ない年になりそうです。

 

2020年の花粉飛散量(例年比)box0

花粉症の方にとっては非常にうれしいニュースですね。しかし、油断は禁物です。次のグラフは最近10年の近畿地方での花粉飛散量を示したものです。

 

box0

2019年は花粉が多く飛んだ大量飛散の年になりますので、2020年はそれ比べると少ないのですが、2018年の飛散量とあまり変わらない予想といえますね。特に大量飛散の年には新たに花粉症を発症することが多いと言われており、発症から数年は症状が悪化するとも言われています。やはり油断はせずにしっかりと花粉症対策を立てておいて損はなさそうですね。では今からどんな治療ができるのでしょうか?

 

レーザー治療と薬による初期治療

スギ花粉症の治療には次の3種類の治療があります。

①薬による治療 ⇒ お薬で症状を抑える治療法(ホームページへ)

②レーザー治療 ⇒ アレルギー性鼻炎・花粉症レーザー手術(ホームページへ)

③アレルゲン免疫療法(皮下免疫療法、舌下免疫療法)  ⇒  アレルゲン免疫療法(皮下・舌下免疫療法)(ホームページへ)

 

このうち、三つ目のアレルゲン免疫療法は根治を目標にした治療法ですが、効果発現まで数か月かかる治療法ですので、残念ながら今から始めても今シーズンの花粉時期には効果が期待できないのです。となると、今からできる治療法は薬による治療法とレーザー治療の2つということになります。

薬による初期治療

一般的な花粉症の薬というと抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬といわる薬のことが多いでしょう。これらの抗アレルギー薬には内服後数十分から数時間で効果発現する作用と1~2週間継続的に内服してゆっくり効果を発現する作用とがあります。というこということは1~2週間続けて飲んで薬の効果が100%出るのです。

スギ花粉症の場合であれば、花粉飛散開始日の1~2週間前から飲んでおくと効果的であります。花粉が飛び始める前から薬を飲んでおく治療法を初期治療と呼びます。よく花粉症の予防薬という表現をしていることがありますが、予防薬という特別な薬があるのではないのです。花粉症の薬といわれる抗アレルギー薬を前もって飲むということで、予防薬というより予防的に内服して薬の効果を最大限に発揮しましょうということなのです。

2020年の場合であれば飛散開始日の予想が2月24日ですので、その1~2週間前の2月10日ごろから飲み始めると良いでしょう。もちろん、あくまでも予想ですので、余裕をもって2月に入ったら飲み始めても良いでしょう。あまり早くから飲んでいても効果はあまり変わらないのですが、初観測日から飛散開始日の間でも花粉が飛んでないという意味ではありませんので、症状があるようであれば、早くから飲み始めることになるでしょう。

また、抗アレルギー薬は内服薬だけではなく、点眼薬も同様ですので、毎年、眼の症状がつらい方は点眼薬も合わせて花粉が飛び始める前から点眼する初期治療を始めましょう。

 

いつレーザー治療をすれば良いの?

レーザー治療の効果が十分に発揮されるのは治療後3~4週間してからです。レーザーを焼灼した直後は一時的にレーザーによる炎症が起こるために鼻症状が出現もしくは悪化してしまいます。その炎症が落ち着くのが、およそ3〜4週間ぐらいなのです。一時的に鼻症状が悪化するレーザー治療は花粉が飛び始めてからでは難しくなるので、あくまでも花粉飛散前に行う治療になります。ということは花粉が飛び出す3~4週間前までに行うのが一番効果的です。2020年の飛散開始日予想は2月24日ですから1月下旬~2月上旬に治療するのが良いでしょう。

 

今までの薬やレーザーの効果からレーザー治療と薬による初期治療を併用することも可能です。毎年の治療の積み重ねが少しでも花粉症症状を軽くする近道になります。

 

スギ花粉症治療のフローチャート

 

当院でのレーザー治療は予約制ではありませんので、治療方針を相談の上、その日のうちにレーザー治療はすることが可能です。お気軽にご相談ください。

「わしお通信 No.25/2018年1月」はレーザー治療についてになります。また、わしお耳鼻咽喉科のホームページ内やスタッフブログ内にも花粉症の情報がたくさんありますので参考にしてみてください。

わしお通信No.25/2018年1月   ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

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秋のアレルギー ~ダニ・キク科花粉・寒暖差~





まだまだ暑い日が続きますが、9月に入って、少しずつ朝・夕は気温も下がり過ごしやすい日が出てきましたね。2学期が始まって、「鼻が出てきた」、「鼻がつまってのどが痛くなってきた」、「咳が出てきた」といった患者さんが徐々に多くなってきました。

 

秋になると調子が悪くなるのは「アレルギーのせい」かもしれません

秋になると、また、季節の変わり目に、鼻やのどの調子が悪くなることがありませんか?「風邪を引いた」と言っている人も多くなり始める時期になります。ところで、それは本当に「風邪」なのでしょうか?一般的に風邪の症状は 鼻が出たり、鼻がつまったり、咳が出たり などが多いですよね。実は、これらの症状はアレルギーでもよく出る症状でもあります。ということは症状では風邪とアレルギーの区別がつかないということになります。

また、下の図のように「アレルギーのある人が風邪(ウイルス性上気道炎)をひいたら」、風邪のせい?、アレルギーのせい?どちらなのでしょうか。

もちろん、風邪とアレルギーの両方の影響を考えますよね。

少しややこしくなりましたが、皆さんが使っている「風邪」という言葉は、病名というよりは「そんな症状が出てきた」という意味で使っていることが多いのではないでしょうか。「風邪」という一つの病気を指しているのではなくて、いろんな病気のことを「風邪」と言っていることになります。ですので、なんでも風邪ということができてしまいますね。

 

では、「この症状は風邪っぽいのか?」考えてみてはどうでしょうか?

風邪はあくまでも長く続かない、繰り返さないものです。むしろ、自然に1~2週間で治るものを風邪と呼んでいるといってもいいのではないでしょうか?ということは、「長引いたり、繰り返したりすると風邪っぽくない」ということになります。風邪を引いた後に咳が続く場合なども風邪っぽくないといえるかもしれませんね。

次に、風邪はウイルス性の上気道炎としてを考えるので、上気道、すなわち鼻やのどに一緒に感染がおこります。最初は発熱や咽頭痛、そのあとに鼻症状や咳がでて、時間的な変化をしながら回復していきます。反対に「鼻は出ないのですが、咳でしんどいのです」、「のどは大丈夫たけど、鼻だけが調子悪いのです」などの「症状がたくさんないのは風邪っぽくばい」ということです。

また、「朝起きたら鼻水が出ます」、「夜になると咳がひどくなります」など普通の風邪なら朝や夜で変化するというよりも1日単位で変化することが多いので不自然ですよね。「1日の中に波があるのも風邪っぽくない」といえるでしょう。

 

もし、「風邪っぽくなくてアレルギーかも」と思えば、秋には何のアレルギーを考えるのでしょうか?

 

秋のアレルギーには ①ダニ(ハウスダスト) ②秋花粉 ③気象条件 を考えます

①ダニ(ハウスダスト)

テレビのCMなどでもよく見かける「ハウスダスト」とか「ダニ」とか、またまた「ほこり」とかはどういった意味なのでしょうか。これらの違いって分かりますか?

厳密には「ほこり」は目に見えるもので、「ハウスダスト」が目に見えないものということらしいのですが、イメージ的には「ほこり」の中で見えないものを「ハウスダスト」と呼んでいるという方が分かりやすいと思います。ということは、砂ぼこりなどはほこりかもしれませんが、ハウスダストではないということです。

さらにハウスダストのなかでアレルギーの原因としてもっとも多いのが、ダニです。なので、ダニ以外のハウスダストといわれるものに真菌といわれるカビや昆虫、ペット関係が含まれることになります。また、ダニといってもアレルゲン(アレルギーの原因物質)で多いのがヒョウヒダニ(チリダニ)といわれるヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニが中心です。刺すダニは屋外に生息するマダニであり、アレルギーの原因ではないのです。アレルギーのお話をするときのダニといえば、ヒョウヒダニのことを指していることが多いのです。


でも、どうして秋のアレルギーと言えば、まずは「ダニ」となるのでしょう?

「ええっ~?? ダニ・ハウスダストは1年中じゃないの?」もちろんその通りです。しかし、イメージとは違って1年中同じ量ではないのです。ダニには生きているダニ「生ダニ」と死んでいるダニ「死ダニ」があります。空気中に舞い上がったダニを吸い込むことによってアレルギーを引き起こすので、アレルギーの原因になるのは死ダニの方です。そのダニの死がいが細かくなったものやダニのフンなどが空中に舞うことによってアレルギーを引き起こします。

皆さんのイメージ通りに梅雨頃から夏にかけて生きているダニが増えます。そして、そのダニが死んでいき、たまっていくために死ダニやフンは9~11月に多くなります。すなわち秋にピークになるのです。

 

さらに、花粉よりもダニの死骸やフンの方が小さいために奥まで入りやすいために、鼻症状だけでなく咳の原因にもなりやすいのです。鼻の調子が悪くて、咳が出る、さらに鼻がつまるためにのどが乾燥して痛くなる、このような症状であれば、アレルギーの症状を風邪といっているかもしれませんよね。

ということは、秋になって、風邪っぽくない咳が出ている人はダニアレルギーが原因かもしれないですね。

②秋花粉
秋におこる花粉症はまずは3種を考えます。キク科花粉、イネ科花粉、スギ花粉です。

キク科花粉は菊ですから秋をイメージしやすいですよね。有名なキク科花粉症はブタクサやヨモギなどです。ブタクサやヨモギはどこにでもある雑草で武庫川の河川敷などでもよく見かけます。キク科花粉症がある人はスイカやメロン、セロリなどの果物・野菜などやスパイスでアレルギー症状が発症する花粉-食物アレルギー症候群(口腔アレルギー症候群)を合併する場合があります。それらの食物アレルギーがあって秋に花粉症症状があれば、キク科花粉症の可能性が高いと言えます。

イネ科花粉も秋を連想しやすいですが、花粉症は実のなる時期ではなく花が咲く時期に起こります。ですので一番有名なイネ科雑草のカモガヤはGW~梅雨時期に調子が悪くなります。しかし、イネ科花粉は他のイネ科植物と共通していることが多くて、ススキなど秋に開花・花粉飛散するイネ科植物があります。初夏に花粉症がでる人は秋も注意が必要です。

また、スギ花粉も秋に間違って飛散することがあります。ふつう、スギ花粉は夏から秋に出来た花粉を冬の間はためておき、気温が高くなってきた春に飛散するのですが、気象条件によって間違って、秋に飛散させてしまうことがあるのです。もちろん、春の時期のように長期間に多く飛散することはありません。

ブタクサやヨモギなどのキク科花粉やイネ科花粉は雑草の花粉ですので、樹木であるスギ花粉のように何十kmも飛散するのではなく、数十mの飛散距離ですので、なるべく近寄らないといった対策を立てやすいとも言えます。

西宮市のホームページから9,10月は花粉情報を見ることが出来ます。参考してみてください。https://www.nishi.or.jp/kosodate/index.html

③気象条件
気温・温度差や台風などによる気圧差などによってアレルギー症状が引き起こされることはよくあります。特に、元々、鼻炎や喘息などのアレルギーのある人は鼻の粘膜や気管の粘膜が敏感・過敏なので、寒暖差や気圧差という刺激によってアレルギー症状が出やすいのです。寒暖差アレルギーや気象病などといわれているかもしれません。

鼻炎や喘息がもともとある、もしくはあった人は、鼻やのど、気管などの気道粘膜が過敏・敏感である可能性があります。アレルギーの無い人では刺激にならないような温度差や気圧差で症状が出てしまう可能性が高いのです。そのアレルギー症状中でも、特に咳の症状には注意が必要です。

上のアンケートで示されるように、喘息を引き起こす誘因として訴えの多いものは秋に多いのです。お子さんが「運動会の練習が始まってから風邪を引いている」といったエピソードの中にはアレルギーによるものが隠されているかもしれません。風邪っぽくないと思ったら受診をしましょう。

秋はさまざまな原因でアレルギーが起こりやすい季節です。アレルギーの原因や症状によって治療方法が変わってきます。

きちんと原因を調べて、快適な秋を過ごしましょう!

わしお耳鼻咽喉科 TEL: 0798-56-8733 兵庫県西宮市瓦林町20-13
【診察】午前8:45~12:00 午後15:45~19:00【休診日】水曜と土曜の午後 日曜・祝日