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コロナワクチンの今(6/27)について(アレルゲン免疫療法との接種間隔についても)





わしお耳鼻咽喉科でもコロナワクチンを接種し始めて1ヵ月ほどが経ちました。その間も状況が二転三転して、ご希望通りの接種ができずに、ご迷惑をお掛けしております。これからも出来る限り、ご希望に添えるように対応させていただきます。

また、6月27日現在、西宮市でも65歳以上の高齢者に加えて、60歳~64歳の方、基礎疾患をお持ちの方にもワクチン接種の対象が拡大されました。(兵庫県や防衛省の行っている大規模接種や職域・大学接種であれば、60歳未満の方でも接種可能です)

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西宮市のワクチン接種に関するHPでもご確認ください。https://www.nishi.or.jp/kurashi/anshin/infomation/vaccine.html

 

接種対象が広がれば、ワクチンを接種した方が良いかどうか?を迷っている人も多いかと思います。今ある情報をまとめてみましたので、参考にして頂き、接種の判断にお役立て下さい。

 

コロナワクチンのメリットとデメリット

ワクチンを接種する方が良いのか?、接種しないほうが良いのか?

残念ながら、100%有効で全く副作用のないワクチンはありません。ワクチン接種によって得られるメリットとワクチン接種によるデメリットをよく理解して接種をするかどうか、慎重に判断しましょう。

コロナワクチンを接種するメリット

コロナワクチンには

「①新型コロナウイルスに感染しても、発症予防の効果により生活を守る」、「②新型コロナウイルス感染症が発症しても、重症化予防の効果により命を守る」が主な効果といわれています。

さらに十分な検証はされていませんが、「③新型コロナウイルスを他の人にうつすことを減らす、感染予防の効果により家族・社会を守る」といった効果も期待できそうです。

この3つの効果がワクチンの最大のメリットです。この中でよく言われているファイザー社製ワクチンの95.0%、モデルナ社製ワクチンの94.1%の有効率というのは発症予防効果であり、インフルエンザのワクチンでは30~60%ぐらいと言われています。数字からみると、かなり期待が持てるワクチンだと言えるでしょう。

もちろん100%ではありませんので、社会全体で十分な効果が得られるまでは引き続き感染予防対策を行っていくことが大切です。(マスクによる熱中症に注意、感染予防対策《マスク・消毒・手洗いについて》

ワクチン接種によるメリットは接種しないデメリットでもあります。

ワクチン接種をしない場合、個人としてはCOVID-19に罹患することによって重症化したり、最悪の場合も想定しないとならない時もあるかもしれません。また、社会的に緊急事態宣言などの現状の感染対策を継続したり、時には強めたりしなくてはならないかもしれません。

 

コロナワクチンを接種するデメリット

①接種後の副反応がある、②未知のリスクがある、が多くのデメリットと言えます。

しかし、接種後の痛み・発熱・倦怠感・頭痛など接種後短期に起こる副反応は起こったとしても、ほとんどが数日以内に収まり、予測できる副反応であるために準備をしておくことで対応が可能です。(https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/safe/

まれにアナフィラキシーなどの重篤な副反応も生じますが、医師の管理の下での接種ですので、仮に起こったとしても直ちに対応することができます。現在、厚生労働省の報告でコロナワクチンによるアナフィラキシーは約0.001%(接種約2300万回で238名)の確率で起こっています。この数字は食品や他の薬剤、ハチ刺症などによるアナフィラキシーと比べてかなり低い確率です。言い換えると、コロナワクチンより他の薬や食べ物の方を注意しなければならないということになります。

さらにまれな副反応として心筋炎や心膜炎の報告もありますので注意は必要です。これからも様々な報告が出てくると思われますが、世界的な接種状況を考えるとあくまでも非常にまれな副反応であると思われます。

厚生労働省の新型コロナワクチンQ&Aサイトも参考にして見て下さい(https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/

また、数年後などの長期に起こるリスクは現在分かっていないことも事実です。日本で接種しているmRNAワクチンが理論的に接種後数日で分解されてしまうことを考えると、将来、高い確率の副反応が出てくることは少ないと思われます。

接種しない最大のメリットはこれらの副作用に関して気にしなくて良いことです。

接種する場合も接種するデメリットをよく理解して、接種しない場合も接種しないデメリットをよく理解して、慎重に判断をしましょう。

真偽も含めて、今ある情報を慎重に判断して、接種するかどうか、を決めましょう。

 

小児に対するコロナワクチンの考え方

インフルエンザウイルスのように子ども同士や子どもから大人へ罹患するのが多いウイルスではなく、大人から大人、大人から子どもへ罹患することが多いのが新型コロナウイルスです。大人がコロナに罹らなければ、子どもにうつすリスクが下がります。まずは小児にうつさないように子どもに関わる人がワクチン接種することを考えましょう。

もちろん、子どもだからコロナに罹っても重症化しないわけではありません。大人より頻度は少なくなるかもしれませんが、重症化のリスクはあります。特に基礎疾患がある子どもは接種を慎重に検討しておいた方が良いでしょう。

もう一つ、ワクチンのメーカーによって接種適応年齢が異なります。ファイザー社製のコロナワクチンは12歳以上(モデルナ社製は18歳以上)が適応年齢になっています。接種場所によって対象年齢が異なるため、使用ワクチンを確認してから予約しましょう。

日本小児科学会よりワクチン接種に関して、「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方」という提言が示されていますので参考にしてみて下さい。

http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=374

皮下免疫療法とワクチンの接種間隔

皮下免疫療法とコロナワクチンの場合

現在、コロナワクチンは接種前後2週間は他の予防接種を控えるようになっています。わしお耳鼻咽喉科では皮下免疫療法も免疫に作用する治療としてワクチン(予防接種)と同様に考えております。皮下免疫療法の接種期間が開いてしまっても、開始からの治療期間や接種濃度を参考にして対応することができる治療方法ですので、問題なく治療は継続できます。

皮下免疫療法はコロナワクチンの接種状況に合わせることができますので、免疫療法→コロナワクチンの間隔を2週間は開けることに注意して、まずはコロナワクチンの予約をしてください。コロナワクチン2回目の接種後に2週間あいていれば、皮下免疫療法を再開することができます。コロナワクチンの1回目と2回目に4週間以上の間隔がある場合には、それぞれ2週間の間隔をあけて、皮下免疫療法を行うことも可能です。もし、対応が分からなければ、直接ご相談ください。

皮下免疫療法とコロナ以外のワクチンの場合

現在、コロナワクチン以外のワクチンでは「注射生ワクチン(はしか、風疹、水ぼうそう、BCGなど)同士の接種間隔を27日以上あける」以外に接種間隔の制限はありません。すなわち、生ワクチン同士でなければ、同時接種することも可能であります。しかし、皮下免疫療法はアナフィラキシーのリスクがありますので、他の予防接種との同時接種をわしお耳鼻咽喉科では推奨しておりません。(日が違えば、接種可能です)

 

舌下免疫療法とコロナワクチンの場合

舌下免疫療法の場合は、コロナワクチン接種日のみは休薬して頂き、翌日以降に体調の問題がなければ、再開してもらってます。治療中の方で対応に不明点があれば直接ご相談ください。

 

どこでワクチンは接種できるの?

ワクチン接種場所に種類がたくさんできて、どこで接種できるのか迷ってしまいますよね。

西宮の方をメインで現在(6/27)の接種場所状況をまとめてみました。接種方法としては5種類の受診方法があります。

 

①西宮市内のクリニックなどで行う個別接種(https://www.nishi.or.jp/kurashi/anshin/infomation/medical_institution.html

②西宮市の行う集団接種(https://www.nishi.or.jp/kurashi/anshin/infomation/reservation_system.html

③兵庫県が行っている大規模接種(https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/daikibosessyu.html

④国(防衛省)が行っている大規模接種(https://www.mod.go.jp/j/approach/defense/saigai/2020/covid/center.html

⑤企業や大学で行っている職域接種

6/27時点でわしお耳鼻咽喉科での接種対象は60歳以上と基礎疾患をお持ちの方

わしお耳鼻咽喉科ではファイザー社製のコロナワクチンを接種しております。12歳以上の適応になりますが、6月27日現在、西宮市の方針で個別接種の対象者が60歳以上および60歳未満の基礎疾患を有する方となっています。(https://www.nishi.or.jp/kurashi/anshin/infomation/vaccine.html

基礎疾患とは

・慢性の呼吸器の病気
・慢性の心臓病(高血圧を含む。)
・慢性の腎臓病
・慢性の肝臓病(肝硬変等)
・インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
・血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)
・免疫の機能が低下する病気(治療や緩和ケアを受けている悪性腫瘍を含む。)
・ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
・免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
・神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
・染色体異常
・重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)
・睡眠時無呼吸症候群

および基準(BMI30 以上)を満たす肥満の方

 

西宮市以外でわしお耳鼻咽喉科に通院中の方

60歳以上または60歳未満で基礎疾患をお持ちで、わしお耳鼻咽喉科に通院中の方は、西宮市以外にお住まいの方でも、接種券をお持ちであれば、コロナワクチン接種をさせていただいております。詳しくは、わしお耳鼻咽喉科(0798-56-8733)にお問い合わせください。

ワクチンの接種に関して、様々な情報が出回っております。正確な情報を基に接種をするかしないかを慎重に判断するようにしましょう。

わしお耳鼻咽喉科 院長  鷲尾 有司

地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。

アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。

子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。

わしお耳鼻咽喉科 TEL: 0798-56-8733 兵庫県西宮市瓦林町20-13
【診察】午前8:45~12:00 午後15:45~19:00【休診日】水曜と土曜の午後 日曜・祝日