20-21シーズンのインフルエンザ治療(インフルと新型コロナと風邪、アレルギーも)
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またまた、コロナの波がやってきましたね。気温が下がって、空気を乾燥する時期ですので、夏場に比べると新型コロナウイルスが感染しやすくなるかもしれません。
換気の良い場所で密にならないように距離を取りましょう。難しいようであれば、マスクをして、可能な限りの換気に気を付けて。
こまめな手指消毒(特に口を触る前に)をしながら、気を緩めずに、基本的な感染予防を続けていきましょう。
さらに例年であれば、これからインフルエンザが流行してくる時期になります。20-21シーズンのインフルエンザ対策は新型コロナ対策を兼ねてになるために、いつもの年と変えなければならないところがあります。
インフルエンザ対策の基本はもちろんワクチンと感染対策です。まずはインフルエンザに罹らないことと重症化しないことです。インフルエンザの重症化は新型コロナと違って高齢者が中心ではなく、若年者でも注意しなければなりません。さらにインフルエンザの重症化の予測は難しいということです。初めの症状が軽いからといって重症化しないということではないのです。
次に大切なのは「インフルエンザかも?」と思うことです。「熱が低いからインフルエンザではない」と思わないことです。これから熱が上がるかもしれませんし、低いままのインフルエンザかもしれません。しかし、早期発見できれば、経過が分かりやすくて治療薬も存在するためにインフルエンザは新型コロナに比べると感染拡大が防ぎやすいとも言えます。
インフルエンザと新型コロナの症状の違いは?
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状の特徴に加えて、症状が似ている「かぜ」やアレルギーも合わせてみてみましょう。
インフルエンザの特徴は急に起こる高熱に関節痛・筋肉痛、頭痛にだるさが良く言われる症状ですね。しかし、高熱でないからといってインフルエンザではないとは言えません。微熱の時でもインフルエンザが流行していれば可能性は否定できないのです。(37度台の微熱でも危険?「かぜ」とインフルエンザについて)
新型コロナウイルス感染症の特徴はさまざまな症状が現れることです。他の3つの病気と比べても✖印が最も少ないのが特徴と言っていいのではないでしょうか。中でも「咳というより息切れの症状」や「味覚・嗅覚・味覚の異常」が認められれば、インフルエンザよりも新型コロナの可能性が高いかもしれません。
いずれにしても「どの症状だからインフルエンザ、新型コロナ」とは言えないです。どの症状であっても、発熱をすればインフルエンザも新型コロナも疑わなくてはなりません。
「かぜ」とインフルエンザ、新型コロナとの違いは?
まずは「かぜ」という言葉の意味を整理しなければ、いろいろな解釈が出てきます。以前のブログでもお話ししましたように(「風邪か?アレルギーか?」と「風邪も、アレルギーも」)二つの意味の「かぜ」があります。普段使っている「かぜ」は広い意味での「かぜ」が多いでしょう。
そうすると広い意味での「かぜ」には軽いインフルエンザや新型コロナ、アレルギーのすべてが含まれていることになります。現在のところでは狭い意味での「かぜ」とインフルエンザ、新型コロナは同時に発症することはが多くはないと考えられていますので、3つのうちのどれかということになりますが、アレルギーに関しては合併、ようするにアレルギーの人が感染症にかかるということはよくあるケースと思われます。(「2人に1人」はアレルギー性鼻炎(特に花粉症が増えています))
そうなると、さらに分からなくなってしまいますよね。ですので、広い意味での「かぜ」という便利な言葉ができてしまうのです。「かぜ」はいろんな意味を持った言葉であるという前提で使ってしまえば、むしろ分かりやすくなります。
簡単にまとめますと、「インフルエンザは軽い風邪から重い風邪まで」、「新型コロナも軽い風邪から重い風邪まで」、「アレルギーは軽い風邪が続く」ということななります。「風邪は万病のもと」という意味の一つはこのようなことを意味するのでしょう。
結局は今年はどうすればいいの?
かぜかな?って思えば、かかりつけ医に電話を(わしお耳鼻咽喉科0798-56-8733)
クリニックのよっては検査ができない場合があります。感染拡大に注意を払って、まずは電話で指示を仰ぐようにしましょう。
インフルエンザ、新型コロナの検査を
まわりの感染状況および年齢や症状、所見によっては溶連菌感染症、アデノウイルス感染症、RSウイルス感染症、ヒトメタニューモウイルス感染症、マイコプラズマ感染症などの簡易検査を行う場合もあります。すべて広い意味での「かぜ」です。しかし、新型コロナではないという意味ではありませんので、必ず新型コロナの可能性を考えて検査をすることになります。
元々、アレルギーを疑うような人は、前もってのアレルギー検査で診断を
元々、鼻やのど、気管が弱い人はアレルギーの可能性を考えなくてはいけません。「よく風邪をひく」などもアレルギーを疑う症状となります。アレルギーは感染症ではないので「繰り返す、長引く」がポイントです。まずは「もしかしたらアレルギー?」と疑うことが始まりです。そう思ったら可能であればアレルギー専門医(~アレルギー専門医とは?~)を受診しましょう。
この記事を書いた人
わしお耳鼻咽喉科 院長 鷲尾 有司
地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。
アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。
子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。