今年のスギ花粉症 ~レーザー治療について~
スギ花粉症の皆さんにとって、いやな季節が近づいてきました。
今年の花粉症はどんな感じになるのでしょう?
今のところの予想で今年のスギ花粉飛散は「多く」なりそうです。
今までも予想によっては多いと言ってみたり、少ないと言ってみたり、よくわからない時がありますよね。
予想を見るポイントは「何と比べて」になります。
①去年と比べて(今年なら2016年と比べて)
②過去10年の平均と比べて(今年なら2007~2016年の平均と比べて)
の2つがあります。
西宮市の2016年スギ花粉飛散は非常に少ない年になります。過去10年の平均と比べるとおよそ半分ほどの飛散量でした。
それをふまえて、
①2016年と比べると非常に多くなるでしょう(予想によりますが、2016年の3倍ぐらい)
②過去10年の平均と比べて多くなるでしょう(予想によりますが、過去10年平均の1.5~2倍ぐらい)
との予想が出ています。
ということは今年のスギ花粉症はしっかりとした準備をしておいた方が良さそうですね。
ではどういった準備が今からできるのでしょうか?
➊ まず、しっかりとした診断をしましょう。
「たぶん花粉症」ではなく、きちんと検査をして来年以降も繰り返す病気としてしっかりとした診断をしましょう。
❷ どのアレルギー治療にも共通の治療である「抗原の回避」しましょう。
診察・検査によって得られたアレルギーの原因物質、すなわち抗原を避けることです。花粉症の場合、まずはマスクや花粉用メガネをしたりして体の中に花粉が入らないようにブロックしましょう。また、花粉飛散期に衣服や布団などの洗濯物を外に干さないようにしたり、外出後に玄関で花粉を払ってから家に入るようにしたりするなど、室内に花粉を持ち込まないようにしたりしましょう。。
❸ 体調を整えましょう。
アレルギーは体調が悪いと、起こりやすかったりひどくなったりするものです。花粉症もアレルギーの一つですので体調管理が大切になります。
バランスよく栄養を取って、十分な睡眠を心がけましょう。
もちろん、それだけでは十分な対策にならない方が多いでしょう。
ここからは治療についての話をしましょう。あくまでも個人差はありますがイメージとして
アレルゲン免疫療法>レーザー+薬物療法>レーザー単独>薬物療法(初期治療)>薬物療法
の順で治療効果が期待されます。
残念ながらアレルゲン免疫療法は今からでは間に合いませんので、この中で今から可能な治療方法はレーザー治療と薬物療法の2種類になります。
一番右端の薬物療法というのは「調子が悪くなったら薬を飲む」というもので、この治療が一番効果が出にくいということです。
準備のタイミングとしてはレーザー治療は花粉飛散開始の3~4週間前ごろに行い、薬物療法による初期治療は花粉飛散開始の2週間前からスタートするのが理想ではあります。
ではスギ花粉の飛散開始はいつごろなのでしょうか?
これもちょっと勘違いしやすいのですが、初観測日ということ飛散開始日というのが2つあります。
初観測日 ⇒ 1月1日以降にスギ花粉が1個でも観測された日のこと
飛散開始日 ⇒ 1月1日以降で2日連続して1㎠あたり1個以上観測された最初の日のこと
あくまでも初観測日から花粉は観測されますが、本格的に花粉が飛び始めるのは飛散開始日からになります。西宮市では初観測日は1月上旬、花粉飛散日は2月下旬になること多いです。
ということはレーザー治療は1月下旬から2月上旬に、薬物治療による初期治療は2月上旬からが良いことになります。
ではどんな人にレーザー治療がおすすめなのでしょうか?
①花粉量の少なかった2016年シーズンでも薬の効果が不十分な人
②2016年は薬でなんとか大丈夫だったけど、いつもの年は花粉症がきつい人
③妊娠中・授乳中の人、薬で眠気が出やすい人
レーザー治療の詳細は http://washio-jibika.com/laser/
薬物療法(初期治療)の詳細は http://washio-jibika.com/medicine/
レーザー治療は今からの3週間が適した時期になります。
当クリニックではレーザー治療を予約ではなく、毎日行っております。レーザー治療希望の方はご都合のよい日に受診ください。
ただし、花粉症(アレルギー性鼻炎)の診断がついている方に限ります。検査をされたことのない方は検査結果が出てからの治療になりますので、ご留意ください。
この記事を書いた人
わしお耳鼻咽喉科 院長 鷲尾 有司
地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。
アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。
子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。