スギ花粉症の人で4月も調子が悪ければ、ヒノキ花粉症も疑います
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スギ花粉飛散のピークは過ぎてきましたが、まだまだ花粉の飛散は続いており、加えて西宮市の花粉情報でもわかるように(https://www.nishi.or.jp/kotsu/kankyo/taiki/kafun.html)ヒノキ花粉の飛散も始まってきました。今年はこの5年間でもっとも早い昨年よりもさらに早いヒノキ花粉の飛散開始です。
ヒノキ花粉症は関係ないと思っているのは本当ですか?
「花粉症といえばスギ」って、どうしても思ってしまいますよね。でも4月も調子悪いのであれば、「4月の花粉はヒノキ」です。スギはヒノキ科の樹木ですから、スギ花粉症とヒノキ花粉症が両方あっても不思議ではありません。
もう一つスギだけと思ってしまう原因が血液検査です。血液検査でスギが陽性で、ヒノキが陰性であれば、ヒノキは大丈夫と思ってしまいます。しかし、現在の血液検査はスギよりもヒノキの方が感度が低い傾向になります。ということは、アレルギー検査で陰性であっても、スギ花粉症の人で4月にアレルギー症状があれば、ヒノキ花粉症も合併している可能性が非常に高いです。
今から4月上旬がヒノキ花粉の飛散ピーク
例年であれば、そろそろヒノキ花粉が飛び始めるころになりますが、西宮市の花粉情報でもわかるように今年はもうかなりのヒノキ花粉が飛んでいます。2020年はヒノキ花粉の飛散量が少なかったうえに、新型コロナの緊急事態宣言が出ていた時であったのであまり症状がなかった人も多かったかもしれません。しかし、今年はしっかりとヒノキ花粉が飛んでいますので、去年大丈夫だった人もしっかりと花粉対策を心がけましょう。
過去5年間グラフでのヒノキ花粉飛散状況からすると、今から4月上旬(年によっては中旬)までがヒノキ花粉のピークといえます。まだまだ花粉対策を続けていく必要があります。
ヒノキ対策はGWまでしましょう
西宮市環境衛生課から提供していただきました資料からみると、ヒノキ花粉の飛散終了は早い年でゴールデンウィーク、遅い年であれば5月の下旬まで続くことがあります。少なくともゴールデンウィーク(5月上旬)までは継続的に治療をしましょう。
必ず来年も花粉症はやってくる
残念ながら来年も花粉症はやってきます。花粉の飛散量が少なければ軽くてすむかもしれませんが、軽いかもと思って酷かったら、なかなか治療がうまくいきません。ひどくなるかもと思って来年の対策を立てておきましょう。
薬以外の治療法があることを知っていますか?薬以外の治療にレーザー治療(レーザー治療について)などの外科的な治療とアレルゲン免疫療法(5歳からできるスギ花粉症の舌下免疫療法って知っていますか?)があります。今のうちにきちんと検査を受けて、来年の花粉症に備えましょう。
この記事を書いた人
わしお耳鼻咽喉科 院長 鷲尾 有司
地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。
アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。
子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。