オミクロン株の時期だからこそ、花粉症対策は早めに・厳重に ~2022年の飛散予想~
目次
現在、オミクロン株が猛威を振るっている中、これから花粉症も出てくる時期が近づいてきました。コロナと花粉症、両方を注意する必要があります。注意点についてまとめてみました。
オミクロン株の症状は思っている風邪と変わりません(「今の症状は」風邪より軽いかも・・・)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状は以前から風邪症状とよく似ています。嗅覚・味覚症状や息切れなどの呼吸器症状はインフルエンザや風邪に比べるとCOVID-19の方が多い症状と言えました。しかし、現在の感染の中心であるオミクロン株は重症化がデルタ株までのものより少ないといわれています。そのためコロナ特有の症状が少なくなって、より風邪と区別がつかなくなっています。
これまでのCOVID-19のように味覚障害や嗅覚障害の頻度は低くなっている傾向であり、また、発熱しなかったり、もしくは数日で解熱したりする頻度も多くなっている傾向にあります。すなわち、「熱がないから」、「すぐに解熱したから」、「味やにおいが大丈夫だから」コロナじゃない、とはより言えなくなっていると言えます。
今、症状が軽い状況でも風邪よりも重症かリスクはまだまだ高いですし、感染力も風邪とは比べ物にならないほど高いです。後遺症(Long-COVID)の可能性も十分にあり得ますので、「症状が今、軽いからと言って油断ができない」のがオミクロン株です。
オミクロン株の症状は花粉症と区別がつかないかも・・・
オミクロン株は咳や鼻症状が多く出ると言われていますので、熱がなければ、花粉症の症状と区別できない恐れがあります。では、どうすればよいのでしょうか?もうすでに花粉症の診断がついている人は、いつもの年以上に前もって病院に受診して対策をきちんと立ててもらいいましょう。「多分、花粉症だから、なんとなく薬をもらっている」という方は、このタイミングを機会にきちんと検査をしてもらって診断をしっかりとつけてもらいましょう。その上で治療戦略を立ててもらうと良いでしょう。うまく花粉症の症状がコントロールをできていれば、コロナと花粉症の区別がしやすくなります。
最近5年間の西宮市におけるスギ花粉の初観測日と花粉飛散開始日
西宮市内であれば、初観測日は1月上旬で、飛散開始日は2月中旬から下旬にかけてが多いようです。バレンタインデー前後から本格飛散が開始することが多いです。もっとも最近の予報である日本気象協会(第3報)でも関西の飛散開始日(初観測日でなくて)は2月23日になっています。(https://tenki.jp/pollen/expectation/)やはり、例年通りに2月に入ったら花粉症対策を講じた方が良いでしょう。
去年と比べて2022年の飛散量はやや少ない
では2021年の花粉飛散は多い年なのでしょうか?
兵庫県は昨年と比べて、日本気象協会(https://tenki.jp/pollen/expectation/)の予測ではやや少ない(70~90%)、ウェザーニュース(https://weathernews.jp/s/topics/202201/180235/)の予測では少ない(50~80%)と、どちらの予測も去年に比べて2022年の花粉飛散量はやや少ない感じとなっています。
ということは今年は花粉が少なそうだから安心してよいのでしょうか?
実は昨年の花粉飛散量は例年の平均と比べるとやや多かったので、そのやや多かった2021年と比べると少なそうだということになります。
2022年は例年と比べると同じぐらい
では例年(過去10年平均)と比べるとどうでしょう?日本気象協会(https://tenki.jp/pollen/expectation/)の予測は並み(90~110%)、ウェザーニュース(https://weathernews.jp/s/topics/202201/180235/)の予測では80~90%、2022年の花粉飛散量は例年と同じような感じのようです。
https://weathernews.jp/s/topics/202201/180235/
近畿の過去10年のグラフで見ても2022年は昨年よりは少ないかもしれませんが、平年の飛散量である可能性が高いようです。
花粉の飛散はあくまでも自然に対する予想ですので、日によったり、場所によったりで異なってきます。思っているより多く飛ぶ可能性があります。花粉が多く飛んでもよいように出来るだけの対策・治療をしておきましょう。
新型コロナのことを考えるとしっかりと花粉対策をしましょう
withコロナの花粉症対策は3つの注意しましょう
「新型コロナか?花粉症か?」区別がつきにくいので花粉症の診断をしっかりとしましょう
新型コロナの症状、特にオミクロン株は花粉症の症状と似ているところがあります。今まで花粉症かも?、アレルギーかも?と思っている人は前もって診断を受けておきましょう。コロナ対策と合わせて、花粉症対策をしっかりする必要があります。
「花粉症の人が新型コロナに罹る」と診断が遅くなるかもしれないので花粉症の対策・治療をしましょう
元々、花粉症の人は特に今年はなるべく症状が出ないように前もって治療しておきましょう。もしかすると、いつもの花粉症の症状だと思っていたのが新型コロナの症状かも。そうなると診断が遅くなってしまい、自分にも、周りの人にも、影響が出てしまうかもしれません。
「無症状の新型コロナの人が花粉症なら」くしゃみで感染させてしまうかも
新型コロナのややこしい所は無症状の人(不顕性感染)に感染力があるという所です。ですので、知らない間に知らない人に感染を広げてしまっているかもしれません。花粉症の人がくしゃみや咳をすると自分は無症状であっても(これから新型コロナの症状が出るかも)他の人に感染させているかもしれません。周りの人にためにも花粉症の症状が落ち着いていることが大切です。
この記事を書いた人
わしお耳鼻咽喉科 院長 鷲尾 有司
地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。
アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。
子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。