2021/01/30

• 医療情報

花粉飛散開始日は花粉が飛び始める時ではない

花粉の飛散開始日は花粉が飛ぼ始める日ではありません。「本格的に」花粉が飛び始める日という意味です。ですので飛散開始日の前にでも時々は花粉が飛散しています。

もう少し詳しく言いますと、1月1日を過ぎて（ということは昨年の秋や冬に飛んだ花粉はカウントされません）初めて花粉を観測した日は初観測日となります。皆さんがイメージしている花粉が飛び始めたというのは初観測日のことかもしれません。

最近5年間の西宮市におけるスギ花粉の初観測日と花粉飛散開始日です。

西宮市内であれば、初観測日は1月上旬で、飛散開始日は2月中旬から下旬にかけてが多いようです。

もっとも最近の予報である日本気象協会（第3報）でも関西の飛散開始日（初観測日でなくて）は2月20日になっています。

https://tenki.jp/pollen/expectation/

やっぱり今年も「できたら2月になったら」もしくは「遅くてもバレンタインデーごろから」しっかりとした花粉対策が必要になります。

特にコロナ対策も兼ねて、花粉症の人が新型コロナに罹患すると無症状であってもくしゃみなどで周りの人に感染しやすくなるかもしれません。また、花粉症の症状と新型コロナの症状が似ている点も多いため、鑑別がしにくい可能性も考えられます。そういった意味でもしっかりと花粉対策、花粉症治療をしておいた方が良いでしょう。

 

去年と比べて2021年の飛散量は多い

では2021年の花粉飛散は多い年なのでしょうか？

兵庫県は昨年と比べて、日本気象協会（https://tenki.jp/pollen/expectation/）の予測では並（90～110％）、ウェザーニュース（https://weathernews.jp/s/topics/202009/300085/）の予測では（150～200％）と、どちらの予測も去年に比べて2021年の花粉飛散量はやや多い感じとなっています。

 

例年と比べると2021年は少ない

では今年の花粉飛散は多いということなのでしょうか？

何年も前の花粉症のことなんて覚えてないですよね。ですので、どうしても去年と比べることが多くなります。例年と比べるとどうでしょう？

日本気象協会（https://tenki.jp/pollen/expectation/）の予測は非常に少ない（50％）、ウェザーニュース（https://weathernews.jp/s/topics/202009/300085/）の予測では（80～120％）、と少し異なった感じではありますが、例年と比べて2021年の花粉飛散量は多くはないようです。

https://weathernews.jp/s/topics/202009/300075/#aaa

近畿の過去10年のグラフで見ても2年前の花粉量は多かったですが、去年は平年の半分であり、2021年はそれよりは多そうですが、平年よりは少なそうですね。

花粉の飛散はあくまでも自然に対する予想ですので、日によったり、場所によったりで思っているより多く飛ぶ可能性があります。花粉が多く飛んでもよいように出来るだけの対策・治療をしておきましょう。

 

新型コロナのことを考えるとしっかりと花粉対策をしましょう

withコロナの花粉症対策は3つの注意しましょう

「新型コロナか？花粉症か？」区別がつきにくいので花粉症の診断をしっかりとしましょう

新型コロナの症状は花粉症の症状と似ているところがあります。今まで花粉症かも？、アレルギーかも？と思っている人は前もって診断を受けておきましょう。

「花粉症の人が新型コロナに罹る」と診断が遅くなるかもしれないので花粉症の対策・治療をしましょう

元々、花粉症の人は特に今年はなるべく症状が出ないように前もって治療しておきましょう。もしかすると、いつもの花粉症の症状だと思っていたのが新型コロナの症状かも。そうなると診断が遅くなってしまい、自分にも、周りの人にも、影響が出てしまうかもしれません。

「無症状の新型コロナの人が花粉症なら」くしゃみで感染させてしまうかも

新型コロナのややこしい所は無症状の人（不顕性感染）に感染力があるという所です。ですので、知らない間に知らない人に感染を広げてしまっているかもしれません。花粉症の人がくしゃみや咳をすると自分は無症状であっても（これから新型コロナの症状が出るかも）他の人に感染させているかもしれません。周りの人にためにも花粉症の症状が落ち着いていることが大切です。