コロナの検査はした方がいいですか?
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新型コロナウイルス感染症の分類が第5類となってから1か月ほどたちますが、最近、「コロナの検査はした方がいいですか?」とよく聞かれます。
今までの行ってきたコロナ診察の経験上、無症状~重症まで様々な症状が有るため、症状からは診断することが難しいことを実感しています。さらに、全額公費負担であった第2類の時期と異なって、3割の自己負担も必要となっていますので、積極的にを検査をされない方が増えたように感じています。
熱はなくても風邪症状が有れば、コロナの可能性がないとは言えません。診断をするという意味で疑いのある人には検査をするというのが原則になりますが・・・
では、どんな人が積極的に検査をした方がいいのでしょうか?
ポイントは2つです
①治療のために積極的にした方が良い人
②周りにうつさないために積極的にした方が良い人
となります。
もちろん、これに当てはまらない人は検査しなくてよい、というわけではありません。
治療のために検査を
自分自身に重症化リスクのある方は検査をした方が良いでしょう
熱がない、微熱しかないなどの自覚症状が軽い人でも、61歳以上の方や重症化リスクとなる基礎疾患を持っている方は、重症化のリスクを低下させる目的で、モルヌピラビル(商品名 ラゲブリオ)などの抗コロナウイルス薬の適応となります。そのためにも積極的なコロナの検査をおススメします。また、妊娠をされている方は抗コロナウイルス薬の適応となりませんが、重症化リスクとなりうるために検査による診断を行った上で、十分な経過観察をするのが良いといえます。
重症化リスクが無くても、自覚症状がひどい人は検査をした方がもちろん良いでしょう
中等症 Ⅱ以上の人は基本的に入院による治療になります。軽症や中等症 Ⅰのあっても、自覚症状のひどい場合、症状を緩和する抗コロナウイルス薬としてエンシトレルビル フマル酸(商品名 ゾコーバ)による治療が出来ます。
わしお耳鼻咽喉科でも内服適応のある方には抗コロナウイルス薬の処方が可能です。検査を希望される方は電話にて予約をお願いいたします。
周りにうつさないために検査を
身近に重症化リスクが高い人がいる場合は検査した方が良いでしょう
自分自身に重症化リスクがなく、症状が軽い人でも、家族などよく会う人に高齢者や基礎疾患のある方、妊娠をしている方がいれば、検査をした方が良いでしょう。新型コロナウイルスは発症2日前から感染力があることが分かっています。身近の人を守るためにも積極的に検査を行いましょう。
集団生活など多くの人との接触機会がある場合は検査した方が良いでしょう
感染対策が緩くなっている状況ですので、幼稚園や保育園、学校など集団生活では感染対策が難しいために積極的に検査をした方が良いでしょう。
現在、学校保健安全法上、新型コロナウイルス感染症は「発症翌日から5日間、かつ症状軽快後24時間」は出席停止を推奨しています。あくまでも5日間というのは感染させるリスクが低下した状況であって、7~10日間は感染力があるとされています。特に、ご家庭では10日間は注意しておいた方が無難といえます。
また、大人でも高齢者などとの接触機会が多い場合、もちろん積極的な検査をおススメします。
検査をされる場合は、検査の精度をしっかりと頭に入れて対応することも必要です。(もう一度、コロナの検査を整理しましょう)
この記事を書いた人
わしお耳鼻咽喉科 院長 鷲尾 有司
地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。
アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。
子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。