まだ間に合う花粉症の治療 ~レーザー治療~
目次
今年もそろそろ花粉症を気にしないといけない時期になってきました
兵庫県における2019年のスギ・ヒノキ花粉量は「去年と比べて同じ(90~110%)ぐらい」で、「この10年の平均と比べてやや多い(110~150%)」という予想になっています。
また、飛散時期も例年通りに2月の下旬から飛散開始して、スギ花粉が例年より少し早めの3月上旬にピークをむかえ、ヒノキ花粉はピークが4月上旬に迎えるようです。そして4月末からGWあたりで飛散終了になりそうです。
例年通りもしくは例年より早めにしっかりと対策を立てておいた方が良さそうですね。
花粉症の治療は3種類
では、花粉症の治療にはどのようなものがあるかご存知ですか?
大きく分けて 「次の3種類の治療」 があります
①薬による治療 ⇒ お薬で症状を抑える治療法
②レーザー治療 ⇒ アレルギー性鼻炎・花粉症レーザー手術
③アレルゲン免疫療法(皮下免疫療法、舌下免疫療法) ⇒ アレルゲン免疫療法(皮下・舌下免疫療法)
しかし、これら治療は始める時期が異なっているのです
③のアレルゲン免疫療法はじっくり治療していく方法ですので、遅くても前年(2018年)の12月までに開始して、ようやく翌年(2019年)の花粉症に効果が期待できるものなのです。
ということは、残念ながら、今から始めても今年の花粉症には間に合わないといことになります。
しかし、アレルゲン免疫療法の効果は継続することによって高まっていくもので、さらに続けることによって、2年目には1年目より、3年目には2年目よりも効果を期待できる治療になります。
今年の花粉症が終わってから是非とも検討してみてください。うまくいけば完治することもできる治療のなのです。
花粉症の治療は花粉が飛び出す時期に近づけば、近づくほど治療の種類が減っていってしまうのです。花粉が飛び出して症状が出てしまえば、薬を飲むしかないということになります。今から間に合う治療は、レーザー治療と投薬治療しかありません。
言いかえれば、薬の治療以外にも、「まだレーザー治療が間に合う」という時期にもなります。
レーザー治療をする時期は?
ではレーザー治療はいつすればいいのでしょうか?
レーザー治療を行った直後はレーザーによる炎症の症状が出ます。個人差はありますが、特に最初の1週間は鼻づまりや鼻水などの花粉症のような症状が出ることがあります。ひどければ薬を飲んだりしますが、強い痛みが出ることはありませんので痛み止めが必要になることはまずありません。その後、粘膜は徐々に改善して3~4週間で落ち着きます。そのころよりレーザーの治療効果が期待できるようになります。
ということは花粉が飛び出す3~4週間前に行うのが一番よいのです。
レーザー治療の効果出るまでの経過は
花粉が飛び出す3~4週間前とはいつでしょう?
現在の予想ではスギ花粉の飛散開始日は例年通りの2月20日ごろになってます。もちろん自然の話ですので予想通りにはいかないかもしれませんが、1月下旬から遅くても2月上旬にレーザー治療をするのはおススメとなります。
花粉飛散開始日というのは花粉が初めて飛ぶ日ではなく、1平方cm視野に1個以上の花粉が2日以上観測された場合の初めの日のことです。本格的に花粉が飛び始める日のことになります。ですので敏感な人は飛散開始日より前に花粉症の症状が出てもおかしくはないのです。毎年1月から症状が出始める人、またはもう症状が出ている人は出来るだけ早くレーザー治療をしましょう。
ちなみに花粉が初めて飛ぶ日は初観測日といいます。
もちろん、花粉症だけでなくダニアレルギーなどのアレルギー性鼻炎にもレーザー治療は効果的です。
どのタイミングでどのような治療を計画的に行うかを判断するために治療前にアレルギー検査を行いましょう。
レーザー治療のコストは
レーザー治療は自費診療ではなく、保険診療の適応になります。3割負担の方ですと、術後の投薬の有無によりますが10000円前後の負担となります。
鼻の処置が苦手でなければ何歳からでも可能ですが、平均的に小学校高学年ぐらいから適応になることが多いです。
レーザー治療の副作用は?
レーザー治療の大きな副作用はレーザー照射後に「一時的な鼻症状の悪化(鼻水が出たり、鼻づまりがひどくなったり)」です。「全然平気だった」という方もいますので、全員に起こるわけではなくて個人差はありますが、およそ1週間ほどで軽快します。その間にひどければ抗アレルギー薬を使用することによって症状緩和が出来ます。
また、照射後の痛みが気になるかもしれません。
しかし、ほとんどの方に痛みがありませんので鎮痛剤の投与はしておりません。痛み止めはいらないのです。
どんな人がレーザー治療に向いているのでしょう?
①去年(2018年)シーズンに薬が効果的ではなかった人
②眠気など、薬の副作用が気になる人
③妊娠中や授乳中のため、薬を飲みたくない・飲めない人
レーザー治療は薬では効果が出にくい鼻づまりに対して効果的な治療です。また、花粉症の薬は眠たくなることがよくありますが、その心配もありません。もし、薬を併用する場合でも今まで効かなかった薬の併用で効果が来た出来るのです。
鼻の中の麻酔のみで出来る治療ですので、妊娠中(もちろん授乳中も)でも心配なくできます。
その他にあまり病院に通院することが難しい方にも向いているかもしれません。
レーザー治療以外の治療も含めての花粉症治療のフローチャートを参考してみて下さい。
当院でのレーザー治療は予約制ではありませんので、治療方針を相談の上、その日のうちにレーザー治療はすることが可能です。お気軽にご相談ください。
「わしお通信 No.25/2018年1月」はレーザー治療についてになりますので参考にしてみてください。
わしお通信No.25/2018年1月 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
この記事を書いた人
わしお耳鼻咽喉科 院長 鷲尾 有司
地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。
アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。
子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。