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手足口病とヘルパンギーナ(大人も注意!)





当院ではまだ、今のところ大流行といった感じではありませんが、保育所や幼稚園によっては流行しているところもあり、全国的には手足口病の流行がみられています。

 

ところで皆さん、手足口病やヘルパンギーナってご存知ですか?

夏になるとよく出てくる感染症なのですが知っていますか?

子供さんのいらっしゃる方なら聞いたことがあるかもしれませんが、俗にいう『夏かぜ』のひとつです。夏に流行がよく見られるもので有名な感染症が3つあります。手足口病とヘルパンギーナ、あとプール熱(咽頭結膜熱)です。これらのことを3大夏かぜというように呼んだりもします。

 

今回はその夏かぜの中から手足口病とヘルパンギーナについてお話します。

 

①どんな症状の時に手足口病を疑うのでしょう?

その病名のとおりに 『手のひら・足のうら・口の中に水疱(水ぶくれ)』ができる病気です。
手・足・口の中だけではなく、口のまわりやひじやひざ、おしりにも水疱ができることがあります。熱は38℃以下の微熱であることが多く、熱が続くことはあまりなく、数日で解熱するすることが多いです。

発熱していて、のどが痛さのあるかぜ症状がある上に、手や足に水ぶくれが出来てたりすれば手足口病を疑います。まわりで流行があったり、手足口病の発疹を見たことがあったりすれば、病院でなくて自宅でも割と診断がつきやすい疾患です。

当院での自験例を参考してみてください。口の中は分かりにくいですが、口のまわりや手・足に水疱性の発疹が多くみられます。

 

 

手足口病は保育園・幼稚園に通っているのお子さんに多いのですが、小学生や大人でもかかることはありますので注意してください。

 

②どんな症状の時にヘルパンギーナを疑うのでしょう?

ヘルパンギーナは手足口病と違って病名からはちょっと想像しにくいですね。夏かぜといわれるように、熱が出て、のどが痛くなるのが基本の感染症になります。手足口病よりは38~40度の高い熱が出ることが多いですが、2-3日で解熱することがほとんどです。発熱と咽頭痛以外は特徴的な症状はあまりありません。しかし、ヘルパンギーナも夏に流行する感染症ですので、周りの状況と症状で疑います。

手足口病と同様に保育園・幼稚園に通っているのお子さんに多いのですが、ヘルパンギーナも小学生や大人でもかかることはあります。

 

③病院ではどうやって手足口病やヘルパンギーナと診断するのでしょう?

基本的に視診で診断します。難しく言いましたが、ようするに見て診断するのです。当院は耳鼻咽喉科ですので、口・のどをしっかり見て診断することが出来ます。血液検査やインフルエンザみたいに棒を突っ込んで診断することはありません。

ヘルパンギーナは口の奥である口蓋垂や口蓋扁桃のあたりに水泡ができることが多く、口の前方や舌にできることは少ない傾向にあります。一方、手足口病は舌や口の前の歯茎などに水泡が現れます。もちろん手のひらや指の間、足の裏などにも水泡があれば診断ができます。

ヘルペス性歯肉口内炎など口の中に水泡ができる疾患や手足に発疹の出る他の病気との区別をすること、まれにですが髄膜炎や脳炎などを合併すること、もあるので病院できちんと診断してもらってくださいね。

 

③治療はどうするの?

手足口病もヘルパンギーナもエンテロウイルス感染症です。どちらもエンテロウイルス属であるエンテロウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、ポリオウイルスなどが原因である感染症のことです。エンテロウイルスには70種類以上の型があり、その中の種類にもよりますが、エンテロウイルス感染症では症状も似ていることが多いのです。

同じエンテロウイルス属であっても、ポリオウイルスとは異なるウイルスですので、残念ながらポリオワクチンでは効果がありません。また、ポリオ以外のエンテロウイルス属のウイルスにワクチンはないのが現状です。

ええっ??

なんか難しいですよね。難しいことは抜きにして、どちらもウイルスの病気なので、抗生物質は効果がなくて『治す薬はない』のです。ということは、自分の免疫力で治す病気なので、栄養を取ってしっかり休むのが一番の薬です。そうすれば1週間もあれば自然に治ります。

しかし、どちらも大人でもかかる疾患でウイルスの種類によっては、まれではありますが、重症化する場合があります。例えば、ヘルパンギーナは熱性けいれんが合併しやすいウイルスの場合があるといわれています。また、手足口病では脳炎や脊髄炎、ギランバレー症候群を起こすことがあるウイルスのタイプもあります。

もちろん、ほとんどの手足口病やヘルパンギーナでは重症化せずに自然治癒します。でも、注意は必要ですね。

手足口病やヘルパンギーナの感染経路は糞口感染あるいは飛沫感染です。ワクチンがないので、手洗いやうがいなどで予防をしましょう。

④いつから幼稚園・保育園に行っていいの?

学校保健安全法施行規則では手足口病もヘルパンギーナも第三種感染症に属しており、出席停止の期間は「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」と定められています。

具体的に言いますと「熱が下がって、十分に食事がとれるようになったら」ということになります。手足口病の場合は発疹が消失することも目安の一つになります。第二種感染症のプール熱(咽頭結膜熱)は「主要症状が消退した後2日を経過するまで」となっていますので、手足口病やヘルパンギーナはずいぶん早く出席停止が解除になります。

ただし、糞便中に感染後1か月ほどはウイルスが排泄されるといわれていますので、出席停止が解除になっても全く感染しないということではありません。特におむつ替えの時やトイレでは、感染力は強くありませんが、しばらくは注意はしておいた方がよいでしょう。

手足口病やヘルパンギーナの感染経路は糞口感染もしくは飛沫感染です。ワクチンがない感染症ですので、手洗いやうがいなどで予防しましょう。