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今年から花粉症? ~スギたけじゃなくてヒノキも注意~

2019-04-01
テーマ:お知らせ

そろそろスギ花粉症の人も少し落ち着いてきた感じではないでしょうか? しかし、まだまだ油断は禁物です。

 

皆さんが「花粉症」というと(何?)花粉症のことを言っているのでしょうか?

診察の際も「花粉症です」といわれた患者さんに「なに花粉症ですか?」とたずねると「よく分かりません」とか「多分、スギです」とはっきりとしていないことが多く見られます。時期的には春の花粉症のことをいっていることが多いと思いますが、スギ花粉症だけではなくて、スギとヒノキの2つの花粉症のことを「花粉症」と言っているのが一番多いのではないでしょうか。

実は「スギはヒノキ科の樹木」です。それを聞くと、スギとヒノキ両方の花粉症があることは不思議なことではありませんよね。

 

スギとヒノキの花粉が飛ぶ時期は?

ではスギ、ヒノキの花粉飛散の時期はいつでしょう?

西宮市ではスギ花粉は2月下旬から4月上旬までのことが多いです。ということは、スギ花粉の飛散は終盤を迎えていて、あと1~2週間で飛散終了になりそうです。

しかし、ヒノキ花粉は3月下旬から5月上旬まで飛散します。これからがヒノキ花粉の本番です。あと1か月は油断禁物の時期が続くので、ヒノキの花粉症がある人はしっかりと対策をたてましょう。

スギ花粉と合わせると花粉症は「バレンタインデーからゴールデンウィーク」まで注意が必要になります。

 

「検査でなかった」のでヒノキ花粉症ではない?

よく「アレルギー検査ではヒノキはなかったので、ヒノキ花粉症はないです」といわれることがあります。果たして本当にそうなのでしょうか?

 

アレルギー検査というと現在、血液検査が中心です。では血液検査は何を調べているのでしょう?

血液検査では特異的IgEというものを調べています。簡単にいうとアレルギーの体質を調べているのです。しかし、この検査には2つの落とし穴があります。「検査が陽性でもアレルギーじゃない」場合と「検査が陰性であってもアレルギー」の場合があるということです。

検査が陽性でもアレルギーじゃない

「その特異的IgEがあればアレルギーでしょう」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではないのです。

アレルギーは感作と発症と2つの時期に分けられます。「準備段階の感作」と「症状が出てくる発症」ですが、感作と発症には時間差があり、必ずしも感作しているから発症しているとは限らないのです。あくまでも、アレルギーの体質というのは感作の状態であり、その感作を示す指標が特異的IgEとなります。血液検査は特異的IgEを調べる検査ですので、感作を調べる検査であって、アレルギーが発症しているかを調べる検査ではないのです。

症状があることがアレルギーである前提ですので、検査で陽性になっても発症していない場合はアレルギーではないということになります。これが「検査が陽性であってもアレルギーではない」という落とし穴の正体です。
診断上、アレルギーであるというには、検査が陽性であること、症状が出現する(している)こと、の2つがそろっていることが必要になります。

加えて、あくまでも血液検査は感作の状態を示すものですので、「検査の数値と症状の強い弱いとは比例しない」という点も誤解しやすいところです。症状の強い弱いに一番影響するのはアレルゲンの量です。花粉症では花粉の量が一番症状に影響するということです。そりゃそうですよね。

検査が陰性であってもアレルギー

さらに特異的IgEによってアレルギー検査の精度が違うという点も考慮しなければいけません。実はアレルゲン(アレルギーの原因物質)それそれによって検査精度が異なるのです。

スギとヒノキの検査を比べるとスギの方がヒノキより精度が高いのです。実際、ほとんどのスギ・ヒノキ花粉症の検査結果でヒノキよりスギの方が高くなっています。

検査精度が低い項目は検査上、陽性になりにくいという点が「検査で陰性であってもアレルギー」というもう一つの落とし穴の正体です。残念ながら、100%の精度の検査はないですし、アレルゲンの項目によっては検査結果の判断が異なることに注意が必要です。

ヒノキ科の樹木であるスギ花粉症があれば、ヒノキ花粉症の疑わなければならない理由がこの検査の精度にあります。ヒノキ花粉の飛散時期に症状がなくて検査でも陰性の人はヒノキ花粉症ではないといえますが、去年までにヒノキ花粉の本格飛散時期である4月にも症状があるスギ花粉症の人は検査でヒノキが陽性でなくてもヒノキ花粉症と診断されます。

この精度を上げるために食物アレルギーではアレルゲンコンポーネントという考え方が進んでます。アレルギーというのはタンパク質に対する反応ですので、より詳しく、より精度よく、するためにこのタンパク質(アレルゲンコンポーネント)のIgEを調べられるように徐々になってきています。

 

今年から花粉症?

今年から花粉症かも?という人も多いかもしれません。スギ花粉の多い年は新規発症の花粉症が多くなるともいわれています。また、発症から数年は花粉症の症状は酷くなるという傾向もあります。ですので、「この症状は花粉症かな?」と思った人はきちんと検査をうけて、正しい診断をうけましょう。

花粉症の症状は

では、どのような症状を花粉症と疑うのでしょうか?

花粉症の症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状、目のかゆみ、目やに、充血などの眼症状、喉のかゆみ、喉の痛み、咳などの気道症状、皮膚のかゆみ、乾燥、荒れなどの皮膚症状など多彩にあります。

「風邪か花粉症かはわからない」というのはよくあります。実は花粉症の症状と「かぜ」の症状はほとんど同じです。わからなくて当たり前なのです。ではどのように見分けるのでしょうか?ポイントは「かぜ」っぽいか?です。

「かぜ」っぽい症状とは、喉の痛み、発熱、水鼻、黄鼻、咳などの上気道症状がいろいろと変化して出てくること、1~2週間でほとんどの症状がなくなること、です。

反対に「かぜ」っぽくない症状は、同じ症状が続いていること、症状が続いたり繰り返したりすること、になります。ほかに場所や時間帯によって症状に波があることも「かぜ」っぱくないですよね。

花粉症などのアレルギーの症状ではモーニングアタックといわれる朝にくしゃみや水鼻がひどくなることが良くあります。これも「かぜ」っぽくない症状と言えます。もちろん、眼症状や皮膚症状があれば、「かぜ」っぽくない症状ですので、花粉症の可能性はかなり高くなります。

花粉症(アレルギー)は慢性疾患

花粉症というとイメージしにくいかもしれませんが、花粉症は花粉アレルギーです。花粉症が「かぜ」と異なる点は、「かぜ」は急性疾患で、花粉症(アレルギー)は慢性疾患である、ということです。要するに花粉症は、「かぜ」と違って、長引いたり繰り返したりするのが前提です。花粉の飛散量に左右されますが、花粉症の可能性があるということは来年の春も花粉症がやってくるかもしれないということです。

花粉症の疑いがある人は症状がある間にきちんと診断をつけて、花粉症であった人は来年の準備をしましょう。

また、今年からスギ花粉症ということはヒノキ花粉症の可能性もあるということになるので、まだまだ注意が必要です。しっかりと対策と治療をしましょう。