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コロナウイルスで分かっていること





4月7日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する非常事態を宣言されて1ヶ月以上が経ち、さらに5月末まで延長されました。

それぞれの方、立場など違いがあり、様々な問題があるとは思いますが、明るい未来のために少しでも効率よく新型コロナウイルス感染症に対応しましょう。

まだまだ解明されていないことが多い感染症です。その中で、現時点で分かっていることをできるだけ簡単にまとめてみました。今後、考え方や治療の仕方、対策の立て方が変わる可能性もありますので、随時、皆さんの情報をアップロードしてください。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経過

軽症の患者さんが多い

コロナ症状がない人に対する検査で、慶應義塾大学病院でのPCR検査では数%(http://www.hosp.keio.ac.jp/oshirase/important/detail/40185/)に、神戸市立医療センター中央病院の抗体検査では2.7%に陽性が認められました。

この事実は、検査についてなど難しいことは抜きにして、コロナに罹っている人、あるいは、罹ったことのある人はもっと多い可能性があるということです。ということは、皆さんのまわりに無症状や軽い症状のコロナ感染症の人がもっと多く存在すると思って行動しなければならないということです。

新型コロナの症状は「かぜ」症状

熱や咳、倦怠感など俗に言う「かぜ」症状が新型コロナウイルス感染症の症状になります。「においが分からない、味が分からない」といった症状も耳鼻咽喉科の診察では「かぜ」の時にときどき現れる症状ですので、コロナウイルス感染症では多い印象ではありますが、特別な症状でもないと考えています。

以前のブログにもありましたように「かぜ」にはいろいろな病気が含まれているのでコロナウイルス感染症のことも「かぜ」に含まれている可能性は十分にあります。「かぜかな?」って思うことは「コロナかも?」って思うことと同じ意味と考えて、行動することが大切になります。

「風邪か?アレルギーか?」と「風邪も、アレルギーも」

「かぜ」の専門家である耳鼻咽喉科でも、まだよく分かってないうちは「コロナではない」ということは難しいのです。気になることがあれば、まずは電話(わしお耳鼻咽喉科 0798-56-8733)で相談してください。

急速に悪化する場合があるので注意が必要

でも、コロナウイルス感染症って肺炎だからもっとしんどいのではないの?

実は、軽い肺炎のことも「かぜ」と呼んでいるのです。実際に症状や経過が悪くない「かぜ」では胸のレントゲンや血液検査をすることはありませんよね。軽い肺炎は検査をしていないだけで「かぜ」の中に含まれていると考えられています。なぜなら、軽い肺炎は自然に治ってしまう場合が多いからです。「かぜ」といわれたから肺炎ではないと思ってしまっているだけということなのです。

しかし、「かぜ」に含まれている肺炎より割合が多く、急速に状態が悪化することが新型コロナウイルス感染症の問題点です。ですので、油断せずに日々の体調チェックとしましょう。

新型コロナウイルス感染症の健康観察による目安

新型コロナウイルス感染症 相談対応について

新型コロナは軽症でもしんどい

ニュースなどでも新型コロナウイルス感染症に罹った人の声で「こんなにしんどいのに軽症といわれた」といったものを見ますよね。

どうしてでしょうか?

軽症というのは治療の必要性からの表現であります。コロナウイルス感染症の場合、今のところ特効薬がありませんので、自分自身の免疫力で治すことが前提です。その時間を稼ぐ治療として酸素吸入、人工呼吸器、ECMOなどがあります。これらの治療によって新型コロナウイルス感染症が治るわけではありません。インフルエンザ治療薬であるファビピラビル(アビガン)やエボラ出血熱治療薬のレムデシビルなどの期待される薬はいくつかありますが、どれも新型コロナウイルスに対する専用薬ではなく、副作用も含めて、さらなる検証が必要であり、今のところ特効薬というには不十分です。

特効薬がない現状で治療の点からみて人工呼吸器などが必要な状態を重症、そこまでではない状態を軽症(酸素吸入が必要で重症化のリスクが高い状態を中等症)と分けています。「軽症がつらくない」と言っているのではないのです。確立した治療法が出てくれば、重症度の考え方は変わるかもしれません。

もちろん、それほどつらくない場合、全く症状がない無症状の場合もあります。様々な状態があるのが新型コロナウイルス感染症の特徴といっていいのでしょう。新型コロナウイルス感染症は他の感染症と違って、人間の油断を巧みについてくる点で厄介なのです。

いつになったら「うつさなくなる」のかは分かってない

今のところ、発症2~3日前から感染力があって、2~3週間ぐらいで感染力がなくなると言われています。しかし、陰性になった人が陽性になったりするケースなどがニュースでも伝えられてます。実際のところ、PCR検査で2回陰性になることを退院の指標としています。しかし、2回陰性というのが「必ずうつさない」ということを意味してるのではなくて「感染のリスクが少なくなった」という意味であるということ知っておかなくてはならないのです。PCR検査が100%の検査ではないこと、新型コロナウイルス感染症が分かっていない部分が多いこと、を考慮するとPCR検査は目安であって過信してはいけません。

学校におけるインフルエンザの出席停止の期間も時々変更されますよね。また、「かぜ」がぶり返したということもありますよね。そう考えると可能性は低くなったとは言えても、まだまだ絶対ということはないのです。とはいえ、例外はあるにしても2回PCR検査で陰性になったということは良い検査結果であることには変わりありません。

まだまだ新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は未知の部分を多く持ったウイルスであることを忘れてはいけません。もちろん、無症状の人の方が熱や咳がある人より感染させるリスクが低いことは想像されますが、感染させないということにはならないでしょう。

コロナウイルス感染症が疑われる時の注意ポイント

 

PCR検査の見方

PCR検査は100%ではない

PCR検査は新型コロナウイルスの遺伝子を増幅させて調べる検査です。綿棒で採取しての検査ですので、検体採取はインフルエンザの検査に似ています。インフルエンザの検査でも共通ですが、綿棒で十分なウイルスが採取されていることが前提となります。その上、うまくウイルスを増幅出来て、結果が出ます。検査の工程がすべてうまくいったとしても「コロナウイルスの遺伝子があった」ということまでしか言えません。

また、PCR検査で陽性ということは新型コロナウイルスの遺伝子があったということなので、もしかしたら、その遺伝子はウイルスの死骸に反応して陽性となったのかもしれません。ウイルスではありませんが、溶連菌の抗原検査でも同様なことが考えられています。ということは、もう感染力がない状態であるのに陽性になったかもしれません。現状ではそのあたりもまだ分かっていないところです。

PCR検査はうつっていないことを調べる検査ではない

インフルエンザの検査(抗原検査)でも同様のことが言えますが、PCR検査で陰性であることがウイルスがいなかった証明にはなりません。インフルエンザの検査でも同じことが言えるのですが、皆さんが一番気になっていることが分かる検査ではないのです。残念ながらすべての病気は症状、検査、状況などを総合的に判断して診断されるものです。検査のみで診断されるわけではないのです。

インフルエンザ検査の活用法

発症の2~3日目から感染力がある新型コロナウイルスに関しては、今、症状がなくても、PCR検査で陰性であっても、人にうつすリスクがあるということになります。ここが厄介なウイルスであるということです。

 

うつらない・うつさない対策は手洗いとマスク

コロナウイルス(SARS-CoV-2)の侵入経路と脱出経路

コロナウイルス感染症の感染経路は飛沫感染と接触感染が基本です。

感染者からウイルスが出ていくわけですから、感染者から直接飛沫を浴びない、感染者に直接触らない、感染者の触ったものには触らない、の3つがウイルスの出口側からの見方になります。もう一方で入ってくる方は鼻やのどの粘膜、さらに、眼の粘膜からウイルスが侵入してくると考えられています。ということは、飛沫を吸い込まない、ウイルスがついているかもしれない手で粘膜を触らない、の2つが大事です。

 

マスクと手指消毒はいつするかが大事

濃厚接触をしていなければ、空気中にはたくさんのウイルスはいないので、「うつらない」対策の一番は手指消毒になります。特に買い物の時など、多くの人が触ったものに触った後は注意が必要です。お店の外で最後に手指消毒をしましょう。そういった意味ではマスクは飛沫を吸い込まないようにだけではなくて口を触らないために有効なのかもしれません。

「うつらない」対策はコロナウイルスの侵入を封鎖することです。感染リスクを下げるためには手指消毒と、さらにマスク、換気をすべてすることがより有効です。「マスクをしておけば大丈夫、ではない」のです。

「うつさない」対策も重要になります。症状がない人も感染している可能性があるので、うつすリスクがあります。この場合、まずはマスクです。飛沫を飛ばさないことが一番です。次に手指消毒です。自分の手にウイルスがついているかもしれないので人や物に触れる前に手指消毒をしましょう。「うつさない」対策はコロナウイルスの脱出を封鎖することです。

マスクのつけ方や脱ぎ方、手洗いの仕方などはいろいろな動画などで参考にしてみてください

 

結局のところ、今できることは「3つの密にならないように気を付けながら(1つでも多く密を減らして)、手指消毒、マスク、換気の3つを行っていくことをみんなでしていきましょう」となります。

 

当院でも、十分に院内感染に注意をしながら、院内感染が心配で、受診拒否が心配で、クリニックに受診できない方がないように診療を続けてまいります。また、いつも通りの診察ができないことになることも含め、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

新型コロナウイルスの影響・状況により受診が不安な患者様へ