今からできる花粉症対策2026
目次
あけましておめでとうございます。
2025年もありがとうございました。2026年も「わしお耳鼻咽喉科」をよろしくお願いいたします。
早速ですが、私たち耳鼻咽喉科とって、年明けはスギ・ヒノキ花粉症との準備の始まりになります。
「今年も憂鬱だな…」「そろそろ薬を飲み始めないと…」と思っている方も多いのではないでしょうか。あるいは、「まだ寒いし、本格的になってからでいいか」と油断されている方もいるかもしれません。
今日は、耳鼻咽喉科専門医およびアレルギー専門医の立場から、スギ花粉飛散前の「今」だからこそできる、スギ・ヒノキ花粉症対策についてお話しします。
結論から申し上げます。 「症状が出てから」ではなく、「スギ花粉が飛ぶ前」の行動が、この春を快適に過ごせるかどうかを決定づけます。
1. なぜ「今(1月)」からの対策が必要なのか?
花粉症の治療には、大きく分けて「根本治療」と「対症療法」があります。
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根本治療(体質改善): 免疫療法(皮下法、舌下法)。時間がかかるが、将来的に薬を減らしたり、治癒を目指せる。
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対症療法(症状を抑える): 飲み薬、点鼻薬、点眼薬、レーザー治療など。今シーズンの症状を和らげる。
対症療法の薬による治療やレーザー治療のどちらでも花粉飛散前の今、準備することが効果的になります。症状が出てから。花粉が飛び出してからの治療が一番効果が少ないのです。
2025年以前より免疫療法をスタートしている人は準備バッチリです。免疫療法以外を検討されている人は今がチャンスになります。花粉飛散が始まってから後悔しないようにしましょう。免疫療法に興味のある人は今年の花粉飛散が終わってから一緒に考えましょう。
今年の飛散傾向(2026年)
各気象予報会社からの花粉飛散予想によりますと、2026年のスギ・ヒノキ花粉飛散量は、地域にもよりますが「例年並み」または「やや多い」と予測されているところが多いようです。 「去年よりマシかも」といった油断は禁物です。しっかりと対策を立てましょう。

2.薬の治療を希望される場合に強く推奨する「初期療法」
初期療法とは、「花粉が飛び始める少し前(または、ごく軽い症状が出た時点)から薬を使い始めること」です。
なぜ早く飲み始めるの?
花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体の中でアレルギー反応のスイッチが入ります。一度スイッチが全開になり、鼻の粘膜が炎症を起こして腫れ上がってしまうと、後から強い薬を使ってもなかなか症状が治まりにくくなります。
いわば、火事で火の手が回ってから消火活動をするようなものです。
初期療法は、火種が小さいうちに、あるいは火がつく前に水を撒いておくようなイメージです。 これにより、以下のようなメリットがあります。
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ピーク時の症状が軽くなる
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症状が出る期間が短くなる
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強い薬を使わずに済む可能性が高まる
当院では、患者様のライフスタイルや症状の強さ(くしゃみ・鼻水タイプか、鼻づまりタイプかなど)に合わせて、眠くなりにくいお薬や、しっかり効くお薬などをオーダーメイドで処方します。 出来れば1月中(遅くても2月上旬には)に一度受診していただき、お薬の準備をしておくことを強くお勧めします。
3.今からでも間に合う薬の治療以外の治療法「レーザー治療」
レーザー治療(下鼻甲介粘膜焼灼術)
妊娠中の方や、薬による副作用が気になる方、今までの薬による治療で満足できない方などにおススメの治療となります。
鼻の粘膜(下鼻甲介粘膜粉が本格的に飛散している時期には原則行いません。 (※当院での今シーズンのレーザー治療の受付状況については、直接電話(0798-56-8733)もしくは受付にお問い合わせください。基本的には遅くとも2月初旬までの実施が望ましい治療です)
4. 【図解】花粉症対策ロードマップ
これまでの話を整理するために、時系列で対策をまとめた図解を作成しました。私たちが今どこにいて、何をすべきかを確認しましょう。

5. 今シーズンは間に合わないけれど、知っておくべき治療法
以下の2つの治療法は、非常に効果的ですが、開始時期に制限があります。
皮下免疫療法・舌下免疫療法(シダキュアなど)
アレルギーの原因となる物質(スギ花粉エキス)を少量ずつ体に取り入れ、体を慣らしていく根本治療です。 重要:スギ花粉が飛散している時期(1月〜5月頃)には、新たに治療を開始することができません。 副作用が強く出るリスクがあるためです。この治療に興味がある方は、花粉シーズンが終わった6月以降に開始することになります。来シーズン(2027年)を見据えて、頭の片隅に入れておいてください。
免疫療法はスギ花粉に対してだけではなく、ダニアレルギーに対しても有効です。ダニアレルギーのある人に花粉症も、なんてことはよくあるケースです。まずは「春に調子が悪いから花粉症」といった診断ではなく、検査を含めてしっかりと診断することがスタートになります。そのために耳鼻咽喉科やアレルギー専門の病院での受診をおススメします。
6. 最後に:基本的なセルフケアを忘れずに
薬による治療(初期療法)が柱となりますが、日常生活での防御も同じくらい大切です。これらはアレルギー専門医としても、常に患者様にお伝えしている基本です。
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マスクとメガネ: 物理的に花粉をシャットアウトするのが最強の防御です。インナーマスクや、防御カバー付きのメガネも有効です。
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持ち込まない: 帰宅時は玄関前で衣服や髪の花粉を払いましょう。上着はツルツルした素材がおすすめです。
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空気清浄機と加湿: 室内の花粉を除去し、適度な湿度で鼻の粘膜を守りましょう。
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睡眠と食事: 当たり前ですが、体調が悪いとアレルギー症状も悪化します。規則正しい生活を心がけてください。
特に高校受験、大学受験などの大切な時期を迎える方は十分な対策をして、体調管理に努めましょう。
まとめ
2026年の花粉シーズンを乗り切るための鍵は、「本格的に飛び始める前の、今のうちに受診すること」に尽きます。
「毎年ひどくなってから慌てて病院に行く」というパターンを、今年は変えてみませんか?
わしお耳鼻咽喉科では、皆様が少しでも快適な春を過ごせるよう、専門医としての知識と経験でサポートいたします。鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、どんな小さな症状でもお気軽にご相談ください。
お待ちしております。
この記事を書いた人

わしお耳鼻咽喉科 院長 鷲尾 有司
地域の皆様に少しでも貢献したいという思いを抱き、2011年11月11日に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。
アレルギー治療を得意とし、「最新の正しい医療情報を共有して一緒に考える医療の提供」「できるだけ薬に依存しない治療法の提案」「患者様の負担を減らすための各種日帰り手術の提供」をなどを進める。
子どもたちの未来のために、“まちのお医者さん”をめざしています。






