アレルギー性鼻炎・花粉症のレーザー治療とは?
鼻粘膜をレーザーによって変性させて一時的にアレルギー反応を起こしにくい状態にする治療法です。ガーゼ麻酔(麻酔注射はしません) で、ほとんど痛みがなく、また、処置中や処置後にもほとんど出血しません。レーザー治療は保険適応になりますので、治療費は約 10,000円(3割負担の場合)になります。
メリット
- お薬(特に内服薬)では効果の出にくい鼻づまりに対して効果が期待できる。
- 内服薬の副作用である眠気が出ない。
- お薬と併用することで、お薬の投与量の減量や軽減を期待できる。
- 比較的長期間の効果が期待できる。人によって様々ですが、半年ぐらいの人もいれば2~3年効果が持続する人もいます。
デメリット
- レーザー治療後に鼻症状が一時的に悪化する場合があります。ただし、多くの人は1週間程度で回復します。
- 鼻の諸症状には効果がありますが、アレルギーを根本治療する治療法ではありません。
- 鼻の症状にしか効果がない。
レーザー治療に適している方
お薬の効果が不十分な方(特に鼻づまりに効果)
内服薬よりレーザー治療が優れているのが鼻づまりに対する効果です。もちろん、鼻水やくしゃみにも薬とは違う効果が期待できます。『くしゃみ・鼻水を抑えるのが得意な薬による治療』と『鼻づまりをよくするのが得意なレーザー治療』を併用することによってより効果的な治療になります。
妊娠中などでお薬をあまり飲みたくない方
妊娠中や授乳中の方は思い通りの薬を使うことができません。レーザー治療時に使用する麻酔薬は妊娠中でも問題なく、レーザー治療そのものも問題ありません。また、アレルギーの薬を長期間にわたり使用している方は使用期間を短くできたり、たくさんの薬を使用している方は種類を減らすことができたりします。
受験生でお薬の眠気が気になる方
車を運転する人や受験生などにもレーザー治療は有効です。レーザー治療によりお薬を無くせたり、眠気の少ないお薬に変更できたりする可能性があります。
レーザー治療の効果期待度
レーザー治療の効果は鼻炎の主な症状である「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」のうち特に「鼻づまり」に効果的です。有効率は「鼻づまり」に70~80%、「くしゃみ」「鼻水」に50~60%ぐらいです。一方、お薬は「鼻づまり」より「くしゃみ」「鼻水」に 効果的ですので、レーザー治療とお薬の併用が効果的です。
レーザー治療とお薬を併用する療法のイメージ
レーザー治療をしていると、症状が現れた場合でもお薬とのWの効果で、症状抑制効果が高まり、また、お薬の副作用を軽減できます。特に受験生の方におすすめしています。
レーザー治療による焼灼部位
●注射ではなくガーゼによる表面麻酔を10~15分。痛くありません。
●アレルギー反応の中心である下鼻甲介粘膜前端から1/2~2/3を中心に、炭酸ガスレーザーで焼灼します。
●時間は麻酔から約30分で終わります。
●アレルギー反応の中心である下鼻甲介粘膜前端から1/2~2/3を中心に、炭酸ガスレーザーで焼灼します。
●時間は麻酔から約30分で終わります。
レーザー治療後の鼻の症状
じゅくじゅくする時期が1週間ほど続き、かさぶたの状態が3週間ほど続きます。花粉症の場合は、花粉飛散期の3~4週間前(1月下旬~2月上旬)に治療することをおすすめします。