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秋のアレルギー ~ダニ・キク科花粉・寒暖差~





まだまだ暑い日が続きますが、9月に入って、少しずつ朝・夕は気温も下がり過ごしやすい日が出てきましたね。2学期が始まって、「鼻が出てきた」、「鼻がつまってのどが痛くなってきた」、「咳が出てきた」といった患者さんが徐々に多くなってきました。

 

秋になると調子が悪くなるのは「アレルギーのせい」かもしれません

秋になると、また、季節の変わり目に、鼻やのどの調子が悪くなることがありませんか?「風邪を引いた」と言っている人も多くなり始める時期になります。ところで、それは本当に「風邪」なのでしょうか?一般的に風邪の症状は 鼻が出たり、鼻がつまったり、咳が出たり などが多いですよね。実は、これらの症状はアレルギーでもよく出る症状でもあります。ということは症状では風邪とアレルギーの区別がつかないということになります。

また、下の図のように「アレルギーのある人が風邪(ウイルス性上気道炎)をひいたら」、風邪のせい?、アレルギーのせい?どちらなのでしょうか。

もちろん、風邪とアレルギーの両方の影響を考えますよね。

少しややこしくなりましたが、皆さんが使っている「風邪」という言葉は、病名というよりは「そんな症状が出てきた」という意味で使っていることが多いのではないでしょうか。「風邪」という一つの病気を指しているのではなくて、いろんな病気のことを「風邪」と言っていることになります。ですので、なんでも風邪ということができてしまいますね。

 

では、「この症状は風邪っぽいのか?」考えてみてはどうでしょうか?

風邪はあくまでも長く続かない、繰り返さないものです。むしろ、自然に1~2週間で治るものを風邪と呼んでいるといってもいいのではないでしょうか?ということは、「長引いたり、繰り返したりすると風邪っぽくない」ということになります。風邪を引いた後に咳が続く場合なども風邪っぽくないといえるかもしれませんね。

次に、風邪はウイルス性の上気道炎としてを考えるので、上気道、すなわち鼻やのどに一緒に感染がおこります。最初は発熱や咽頭痛、そのあとに鼻症状や咳がでて、時間的な変化をしながら回復していきます。反対に「鼻は出ないのですが、咳でしんどいのです」、「のどは大丈夫たけど、鼻だけが調子悪いのです」などの「症状がたくさんないのは風邪っぽくばい」ということです。

また、「朝起きたら鼻水が出ます」、「夜になると咳がひどくなります」など普通の風邪なら朝や夜で変化するというよりも1日単位で変化することが多いので不自然ですよね。「1日の中に波があるのも風邪っぽくない」といえるでしょう。

 

もし、「風邪っぽくなくてアレルギーかも」と思えば、秋には何のアレルギーを考えるのでしょうか?

 

秋のアレルギーには ①ダニ(ハウスダスト) ②秋花粉 ③気象条件 を考えます

①ダニ(ハウスダスト)

テレビのCMなどでもよく見かける「ハウスダスト」とか「ダニ」とか、またまた「ほこり」とかはどういった意味なのでしょうか。これらの違いって分かりますか?

厳密には「ほこり」は目に見えるもので、「ハウスダスト」が目に見えないものということらしいのですが、イメージ的には「ほこり」の中で見えないものを「ハウスダスト」と呼んでいるという方が分かりやすいと思います。ということは、砂ぼこりなどはほこりかもしれませんが、ハウスダストではないということです。

さらにハウスダストのなかでアレルギーの原因としてもっとも多いのが、ダニです。なので、ダニ以外のハウスダストといわれるものに真菌といわれるカビや昆虫、ペット関係が含まれることになります。また、ダニといってもアレルゲン(アレルギーの原因物質)で多いのがヒョウヒダニ(チリダニ)といわれるヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニが中心です。刺すダニは屋外に生息するマダニであり、アレルギーの原因ではないのです。アレルギーのお話をするときのダニといえば、ヒョウヒダニのことを指していることが多いのです。


でも、どうして秋のアレルギーと言えば、まずは「ダニ」となるのでしょう?

「ええっ~?? ダニ・ハウスダストは1年中じゃないの?」もちろんその通りです。しかし、イメージとは違って1年中同じ量ではないのです。ダニには生きているダニ「生ダニ」と死んでいるダニ「死ダニ」があります。空気中に舞い上がったダニを吸い込むことによってアレルギーを引き起こすので、アレルギーの原因になるのは死ダニの方です。そのダニの死がいが細かくなったものやダニのフンなどが空中に舞うことによってアレルギーを引き起こします。

皆さんのイメージ通りに梅雨頃から夏にかけて生きているダニが増えます。そして、そのダニが死んでいき、たまっていくために死ダニやフンは9~11月に多くなります。すなわち秋にピークになるのです。

 

さらに、花粉よりもダニの死骸やフンの方が小さいために奥まで入りやすいために、鼻症状だけでなく咳の原因にもなりやすいのです。鼻の調子が悪くて、咳が出る、さらに鼻がつまるためにのどが乾燥して痛くなる、このような症状であれば、アレルギーの症状を風邪といっているかもしれませんよね。

ということは、秋になって、風邪っぽくない咳が出ている人はダニアレルギーが原因かもしれないですね。

②秋花粉
秋におこる花粉症はまずは3種を考えます。キク科花粉、イネ科花粉、スギ花粉です。

キク科花粉は菊ですから秋をイメージしやすいですよね。有名なキク科花粉症はブタクサやヨモギなどです。ブタクサやヨモギはどこにでもある雑草で武庫川の河川敷などでもよく見かけます。キク科花粉症がある人はスイカやメロン、セロリなどの果物・野菜などやスパイスでアレルギー症状が発症する花粉-食物アレルギー症候群(口腔アレルギー症候群)を合併する場合があります。それらの食物アレルギーがあって秋に花粉症症状があれば、キク科花粉症の可能性が高いと言えます。

イネ科花粉も秋を連想しやすいですが、花粉症は実のなる時期ではなく花が咲く時期に起こります。ですので一番有名なイネ科雑草のカモガヤはGW~梅雨時期に調子が悪くなります。しかし、イネ科花粉は他のイネ科植物と共通していることが多くて、ススキなど秋に開花・花粉飛散するイネ科植物があります。初夏に花粉症がでる人は秋も注意が必要です。

また、スギ花粉も秋に間違って飛散することがあります。ふつう、スギ花粉は夏から秋に出来た花粉を冬の間はためておき、気温が高くなってきた春に飛散するのですが、気象条件によって間違って、秋に飛散させてしまうことがあるのです。もちろん、春の時期のように長期間に多く飛散することはありません。

ブタクサやヨモギなどのキク科花粉やイネ科花粉は雑草の花粉ですので、樹木であるスギ花粉のように何十kmも飛散するのではなく、数十mの飛散距離ですので、なるべく近寄らないといった対策を立てやすいとも言えます。

西宮市のホームページから9,10月は花粉情報を見ることが出来ます。参考してみてください。https://www.nishi.or.jp/kosodate/index.html

③気象条件
気温・温度差や台風などによる気圧差などによってアレルギー症状が引き起こされることはよくあります。特に、元々、鼻炎や喘息などのアレルギーのある人は鼻の粘膜や気管の粘膜が敏感・過敏なので、寒暖差や気圧差という刺激によってアレルギー症状が出やすいのです。寒暖差アレルギーや気象病などといわれているかもしれません。

鼻炎や喘息がもともとある、もしくはあった人は、鼻やのど、気管などの気道粘膜が過敏・敏感である可能性があります。アレルギーの無い人では刺激にならないような温度差や気圧差で症状が出てしまう可能性が高いのです。そのアレルギー症状中でも、特に咳の症状には注意が必要です。

上のアンケートで示されるように、喘息を引き起こす誘因として訴えの多いものは秋に多いのです。お子さんが「運動会の練習が始まってから風邪を引いている」といったエピソードの中にはアレルギーによるものが隠されているかもしれません。風邪っぽくないと思ったら受診をしましょう。

秋はさまざまな原因でアレルギーが起こりやすい季節です。アレルギーの原因や症状によって治療方法が変わってきます。

きちんと原因を調べて、快適な秋を過ごしましょう!

超音波ネブライザーのご紹介





こんにちは!
日によって、気温差があるこの時期、皆様の体調はいかがですか?

今日は、当院にある吸入器の「超音波ネブライザー」について、ご紹介します!

超音波ネブライザーとは、鼻や喉の炎症を抑える薬剤を超音波によって細かい霧状にして放出し、それを呼吸と共に吸い込むことで、気管や鼻の奥へ薬剤を送り込み、炎症を和らげることが出来る医療機器です。

当院では、3歳以上の患者様に対して、症状に応じて鼻用、のど用、アレルギー用の各ネブライザーにご案内しています。

鼻用、アレルギー用の場合は、器具を鼻の穴に軽く当てていただき、鼻で吸い込みます。
のど用の場合は、器具を口に軽くくわえるか、当てていただき、口で吸い込みます。

ネブライザーが苦手な小さなお子様に対しては、鼻と口が覆いかぶさるマスクを用いて吸入することも可能です。
薬剤は、苦い味がしたり、しみたり、熱かったりするものではありませんので、
ご安心下さいね!

また、ネブライザーの先端につける器具は、患者様ごとに新しい器具を取り付けており、薬剤は、毎朝、新しい薬剤に取り替えております。本体、ホースも毎日洗浄し、感染予防、清潔に気を付けております。

ネブライザーによる吸入療法は、症状の緩和に効果的です。
薬を使えない妊婦さんでも可能であり、多くの方が対象になります。

舌下・皮下免疫療法は今が始め時です!





本日のスタッフブログは、先日、院長のブログでも詳しく説明がありました”免疫療法”についてです(^-^)

当院で実際に1年以上、治療を受けていらっしゃる患者様より、たくさんのお声をお寄せいただきました。
興味はあるけれども、不安もある・・そんな患者様の参考になればと一部ご紹介させていただきます。

Q 治療開始にあたって悩んだこと。またどのように解消されましたか?

・本当に効果があるのか・コスト面が心配だったが、症状の酷い時期が軽くなり、1回数百円なのでさほど負担にならない(大学生)
・アナフィラキシーショック等について心配だったが、先生の説明と対応により解消された(小学生)
・長期間かかる治療なので始めるか悩んだが、回数を重ねると通院間隔が長くなり良かった(中学生)
・子どもが注射を嫌がるのではないかと心配したが、回数に応じてご褒美をするという形で解消した(小学生)
・効果がなかった時のことを考えると悩んだが、娘の症状を見てこのままではいけないのではないかと思い切って始めた(小学生)

Q治療を開始する前と後のイメージの違いはありましたか?

・注射を嫌がると思ったが、意外とすぐ慣れた。注射が平気になった(小学生)
・毎週通院できるか不安だったが、習い事のような感じで続けることが出来た(小学生)
・思っていた以上に効果を実感できた(20代男性)
・毎日続けられるか不安だったけど、曜日ごとにケースに入れて管理した(舌下免疫療法・小学生)

Q 免疫療法を他の方に勧めますか? 

勧める 40人

・よく効いていると思う。明らかに服用の回数が減った(38才女性)
・春の憂鬱感が減りました!その年によって症状は違いますが、とても酷い状態には
なりにくいので(40代女性)
・痛みもなく自宅で出来るので(舌下免疫療法・中学生)
・根治を目指せるので勧めたい(小学生)
・薬なしで症状が抑えられるから(40代男性)

 

勧めない・どちらでもない 13人

・子どもは症状が良くなってきたので治療を受けて良かったが、人によってどうかはわからないし、ずっと通院するのは大変なので勧めるか悩みます(小学生)
・小さい子は注射の痛みに耐えるのが難しい(小学生)
・毎日、忘れずにしないといけないので人には勧めない(舌下免疫療法・小学生)

以上 患者様のアンケートより

 

免疫療法は、手間と3~5年の期間が必要な治療法ではありますが、根治を目指せる治療法でもあります。

花粉症状も落ち着いてくるこの時期は、スギ花粉症の方にもダニアレルギーの方にも免疫療法を開始する良い時期となっております。また、ハウスダストのアレルギーをお持ちの方も免疫療法を開始されると秋には症状が楽になる可能性もあります。

ご興味のある方は当院にお気軽にご相談くださいね。
アンケートにご協力いただきました皆様ありがとうございました。

5歳からできるスギ花粉症の舌下免疫療法って知っていますか?





やっと、スギ・ヒノキ花粉が過ぎ去って、花粉症から解放された方も多い時期になりました。

まだ、鼻炎症状や目のかゆみが続く方は、スギ・ヒノキの花粉以外に反応しているかもしれませんね。まだの方は検査で調べてみてはいかがでしょうか?

 

ところで、免疫療法って知っていますか?

免疫療法は現在、アレルギーを治すことが出来る唯一の方法と言われている治療です。

アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ体内に取り込んで、アレルギー反応が起きにくい体にする治療です。

TVなどで食物アレルギーの子どもさんに牛乳を少しずつ飲ませて克服するといったニュースを見たことがありませんか?

これは経口免疫療法と言われる治療法です。

この治療の元になった治療法と言われるのがダニアレルギーやスギ花粉症に対する皮下免疫療法です。

実はこの皮下免疫療法、50年以上前の1963年から日本で行われている治療法なのです。ちなみに世界で一番最初に行われたのは100年以上さかのぼって1911年なのです。

しかし、その後、簡便で即効性のある抗アレルギー薬がたくさんの種類で出てくるようになって来ました。抗アレルギー薬などの利便性中心の治療になってしまいました。その結果、治癒の望める唯一の治療である皮下免疫療法を行っている病院・クリニックがさらに少なくなってしまい、どこでも受けられる治療ではない状況になったのです。

(もちろん、当院では皮下免疫療法を行っています)

そこで多くの病院・クリニックで行えるようにと出来た治療法が舌下免疫療法になります。

 

スギ花粉舌下免疫療法薬(シダトレン)

まず最初に2014年の10月よりスギ花粉症に対する治療薬であるシダトレンが使用可能になりました。

    

シダトレンは液体の薬を液体を舌の裏に滴下して行います。始めの2週間は増量期で、スプレー式の薬剤になります。

その後、垂らすタイプのパック式を継続いします。ただし12歳以上が対象になる薬剤です。

 

新しいスギ花粉舌下錠(シダキュア)が出てきたために、シダトレンは2021年3月31日で販売終了となります。当院でもシダトレンで治療されている方は随時、シダキュアに変更しています。

 

ダニアレルギー舌下免疫療法薬(アシテア、ミティキュア)

次に、ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の治療薬であるアシテア、ミティキュアが2015年11月及び12月に使用可能になりました。こちらも使用開始時では適応年齢が12歳以上でありました。

この錠剤はミティキュアの見本になります。スグに砕けて溶けてしまう錠剤なので舌の裏にずっと残ることはありません。

黄色の3300(JAU)を1週間使用してから、10000(JAU)に増量して継続します。

このダニ舌下免疫療法薬も本年2018年の2月より12歳以上という年齢制限がなくなりました。

理屈上は何歳からでも使用可能になりましたが、WHOの指針から免疫療法の推奨年齢が5歳以上でもあり、当院では5歳以上の方を対象としております。

 

スギ花粉症舌下免疫療法薬(シダキュア)

さらに2018年6月29日に年齢制限のないスギ舌下免疫療法薬であるシダキュアが認可されました。

上記の写真のような錠剤型の治療薬です。

ミティキュア(ダニ製剤)と同様に2000(JAU)を1週間使用してから5000(JAU)に増量して、5000(JAU)を継続します。

こちらも5歳以上のスギ花粉症の方が適応になります。

今までは新薬ということもあり、発売後の投与制限のために2週間までしか投与できませんでしたが、2019年5月1日よりほかの薬と同様に2週間以上の投与が可能になりました。

また、シダトレンと比べても舌下に保持する時間が2分から1分に短縮されたこと、冷所保存の必要がなくなったこと、で使い勝手がよくなりました。さらに維持期の抗原量が2000(JAU)から5000(JAU)に増量されたことからより高い効果が期待できます。

 

ダニアレルギー、スギ花粉症の治療早見表

今までは12歳以上の中学生が対象であった舌下免疫療法という選択肢が5歳以上の小学生にも増えました。

選択肢が増えると「どの治療法を選んだらいいのか」が迷いますよね。当院での治療早見表を参考にしてみてください。

 

 

皮下免疫療法 VS 舌下免疫療法

また、皮下免疫療法と舌下免疫療法のちがいの早見表も参考にしてみてください。

大まかに言いますと「病院で行う治療が皮下免疫療法」で「家で行う治療が舌下免疫療法」です。

通院頻度の点からすると「はじめは頻繁に病院に行かなくてはならない皮下免疫療法」と「皮下免疫療法ほど最初は通院しなくてよい舌下免疫療法」、自宅での治療という点からすると「家では何もしなくてよい皮下免疫療法」、「家で毎日しなくてはならない舌下免疫療法」とも言えるかもしれません。

当院では皮下免疫療法も舌下免疫療法もどちらも行っております。

それぞれに特長がある治療になります。どちらの治療が良いということはありません。少なくとも3~5年は継続する治療ですので、自分にとって続けやすい治療を相談して決めていきましょう!

 

わしお耳鼻咽喉科 TEL: 0798-56-8733 兵庫県西宮市瓦林町20-13
【診察】午前8:45~12:00 午後15:45~19:00【休診日】水曜と土曜の午後 日曜・祝日