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インフルエンザ検査の活用法

2018-12-23
テーマ:お知らせ

今週に入ってインフルエンザの患者さんがちらほら現れました。現在のところA型の方ばかりです。例年、冬休みに入ると一旦落ち着く傾向にありますが油断は禁物です。

やはり、例年通りに本格的な流行は1月中旬から下旬~2月になりそうです。

今はまだまだ流行といった感じでありませんが、今のうちにインフルエンザの診断をおさらいしてみましょう

 

インフルエンザの診断

インフルエンザの診断は「自覚症状」、「周りの状況」、「迅速検査」の3つの柱で行います。

自覚症状は急激な高熱、頭痛、悪寒、関節痛などに咳やノドの痛みなどです。

しかし、インフルエンザ以外の感染症などでも同様の症状が出ることもあります。溶連菌やアデノウイルス感染症もノドの痛みや高熱を訴える病気ですし、マイコプラズマ感染症は高熱と咳が特徴的な症状になります。

また、反対に微熱や熱がない場合、あまり症状がひどくない場合でインフルエンザの時もあります。

ですので、診断の精度を上げるためには周りの状況というのは大切なポイントになります。学校や幼稚園・保育園でどんなん病気が流行っているかは大事な情報となります。もちろん、まずは流行っている病気から疑うことになりますので・・・

じゃあ次はインフルエンザの検査、っと その前に病院で特に耳鼻咽喉科では視診という大切な情報があります。

視診というのは文字とおり視た診察ということです。インフルエンザでは「あまりノドが赤くならない」のが特徴と言えるでしょう。

ものすごくのどが赤くなったり、膿が付いたり、していれば、「もしかしたらインフルエンザではないかも?」という判断でインフルエンザの検査より別の検査を優先することもあります。

 

インフルエンザの検査

実はインフルエンザの検査に限らず、どの検査においても偽陽性、偽陰性という結果が出てきます。

インフルエンザの検査の場合、偽陽性とはインフルエンザではないのに検査で陽性になることです。インフルエンザに限っていえば、ほとんど見られない結果ですので無視して良いと考えます(表で\の部分)。もう一つの偽陰性とはインフルエンザだけど検査で陰性になることです(表では黄色の部分)。これは十分あり得る結果です。

残念ながら、偽陰性を少なくする方法としては、疑いがあれば、何回も検査をすることになります。

しかし、治療のことを考えると48時間以内に抗インフルエンザ薬を使わないと効果的ではないため、検査を診断をつけるためだけに行うのは疑問が残ることになります。

ですので、偽陰性が起こることを想定に入れて検査や治療を行うことが大切になります。

ときどき、「インフルエンザではないかを検査で調べてほしい」という事があります。

しかしながら、どんな検査も100%の精度であることはないので、迅速検査では「陽性だからインフルエンザ」といえても「陰性だからインフルエンザではない」とは言えないのです。

あくまで「インフルエンザかどうかを調べる検査」なのです。

仮に陰性になったとしても、自覚症状の経過や周りの状況に気をつけながら、可能性があれば発症48時間以内なら再検査も考える必要があります。

また、発症から12時間以上経過すれば必ずインフルエンザなら陽性になるということでもありません。反対に12時間以内ならインフルエンザでも全く検査が陽性にならないということでもありません。可能性の話ですので12時間以内でも陽性になることはいくらでもあります。

周りの状況が流行しているような場合、早期治療が効果的なインフルエンザは積極的に検査を行う方が良いと考えます。

12時間以内の精度を上げるために高感度のインフルエンザ迅速検査を採用していますので早めの検査をおススメします。

また、2019年度の「わしお耳鼻咽喉科 カレンダー」を作成いたしました。

受付においておりますので、ご自由にお持ち帰り下さい

 

「風邪か?アレルギーか?」と「風邪も、アレルギーも」

2018-10-27
テーマ:お知らせ

最近になって朝、晩の気温が下がってきましたね。寒暖の差が大きくなっています。

「風邪ひいた」という人が多くなっているのでないでしょうか?

「風邪をひく」というのはよく使う表現ですよね。ではどんな時に使うのでしょうか?

鼻が出たり、咳が出たり、熱が出たり、のどが痛くなったり、などなどの症状があるときに使いますね。

ここで少し「風邪」について整理をしてみましょう。

 

風邪って何だろう?

「風邪ってなんでしょう?」って改まって聞かれると答えにくいですね。実はそれは医者も同じなのです。

そこでちょっと風邪について考えてみましょう。

 

実は風邪には二つの意味があります。

➊ウイルス性上気道炎(狭い意味での風邪)

❷症状を表す疾患でいろんな病気の集まりのこと(広い意味での風邪)

皆さんはどちらの意味で使っているのでしょうか?

➊の意味は「ウイルスが原因」で「鼻やノドに炎症」が起こるということです。医学書ではこのウイルス性上気道炎のことを風邪(症候群)としていることが多いです。ではどのようにしてウイルス性上気道炎は診断するのでしょうか?

 

ウイルスが原因ってどうすればわかるの?

風邪(ウイルス性上気道炎)の原因となるウイルスは季節によっても変わりますが、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどの順で多いと言われています。

「ええっ、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスも風邪なの」と思った人もいるかもしれません。実は症状が軽ければ風邪(ウイルス性上気道炎)の中に入っているのです。

診断としてはRSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスは迅速簡易抗原検査で判断することが多いですが、それ以外のウイルスは血液検査でウイルス性かどうか判断します。(血液検査ではどのウイルスかは分かりません)

ただし、迅速抗原検査も血液検査も風邪の疑いがある人の全員にすべての検査をすることはあまり有意義ではありませんから、年齢や重症度、周りでの流行などを考慮してタイミングを図りながら行うことが多い検査になります。ですから、検査なしで風邪と診断した場合は「ウイルス性と思いますが・・・」ということになります。

 

その検査以外でウイルス性を疑うポイントがあります。それは症状です。

①鼻や咳などいろんな症状がある

②症状が変化する

③1週間から10日ぐらいで軽快し、繰り返さない

ということは「2週間前からずうっと鼻が出る」「1か月前から咳だけが続いている」などの症状はウイルス性ではないかもしれません。

 

上気道炎って?

病院などの診断で「〇〇炎」って言葉を耳にしたことはありませんか?

例えば、「肺炎」「気管支炎」「中耳炎」「副鼻腔炎」などです。これは「肺に炎症がある」、「気管支に炎症がある」、「中耳に炎症がある」、「副鼻腔に炎症がある」という意味で炎症の場所を表す病名になります。ということは上気道炎というのは「上気道に炎症がある」という意味です。

では上気道とはどこでしょう?簡単に言うと鼻・口から喉の奥までを指します。

鼻・口から肺までの空気が通る道を気道と言います。喉の奥までを上気道と気管から肺までを下気道と上下に分けています。

上気道の専門である耳鼻咽喉科では鼻・喉(口腔・咽頭)と喉の奥(喉頭)を診ることができますので、そこに炎症があるかどうかが視診で診断することができます。

 

結局、風邪って?

しかし、多くは「のどが痛くて、鼻や咳が出て、時に熱が出るなど」の症状があれば「風邪をひいた」といいますね。

ということは❷の意味で使っていることの方がよくあるのではないでしょうか。

これはウイルス性上気道炎以外の病気であっても風邪とよく似た症状(鼻や咳が出て、のどが痛くて、熱などある)があれば、なんとなしに風邪と呼んでいるということになります。

(場合によっては単に体調が悪いということを風邪と呼んでいるかもしれません)

なかなか病院でも風邪(ウイルス性上気道炎)とキチンと診断することは難しいのですから、医者の診断であっても風邪の意味はウイルス性上気道炎ではなくて

風邪っぽい症状がある色んな病気の集まりということのほうが多いのです。ここに風邪の診断で???になるポイントがあるのです。

例えば、熱が出て喉が痛くなる扁桃炎や鼻水が出る副鼻腔炎なども風邪(ウイルス性上気道炎)ではないかもしれませんが、風邪(症状的)と言われることがあるのです。

また、インフルエンザやRSウイルス感染症、溶連菌感染症なども風邪(症状的)と診断があっても間違いではないことになります。

 

風邪は「風邪(ウイルス性上気道炎)です」という意味より「風邪としてしばらく経過を診ましょう」ということです。

風邪(ウイルス性上気道炎)とは少し違うかなと判断すれば検査などを追加して、診断名が変わることがよくある話になります。

(例えば「風邪と言われたのに溶連菌感染症だった」などなど)

病院では2つの意味の風邪が混ざって話をしていることが多いので、今はどちらの意味で使っているかを整理すると分かりやすくなります。

 

アレルギーの症状は?

ではアレルギーにはどんな症状があるのでしょうか?

アレルギーにもたくさん種類があるのでここでは吸入性アレルゲンによる気道アレルギーを中心に考えてみましょう。

吸入性アレルゲンとは空中に浮遊していて吸い込むことによって気道にアレルギーを引き起こす原因のことを言います。例えば、花粉やダニ(ハウスダスト)などが主な吸入性のアレルゲンになります。中でも秋に多いのが(ヒョウヒ)ダニになります。ダニは1年中あるのですが、夏場に増えた生ダニが秋になって死んでいくので死ダニがもっとも秋に多くなるのです。

さらにダニの死がいやフンは花粉に比べて小さいために気道の奥(下気道)にまで入り込みやすいという特徴もあります。

下気道(気管や肺)でアレルギーが起こると咳という症状になります。

秋に多くなったダニの死がいやフンを吸い込むことによって鼻水や咳が出やすくなるのです。ということは、もしかしたら鼻や咳が出る症状があるためにアレルギー症状のことを風邪(症状的)と呼んでいるのかもしれないということになります。さらに、アレルギーによる鼻炎症状で鼻づまりがあると口呼吸になるために乾燥によるノドの痛みがあることもよくあるのです。

もう、そうなるとなおさら風邪(症状的)と言ってしまっても不思議ではないですね。

 

どうやってアレルギーと疑うのでしょうか?

風邪(ウイルス性上気道炎)とアレルギーとは見分けるのポイントは「風邪じゃないかも」と疑うことになります。

では、どんな症状が「風邪じゃないかも」と疑うポイントになるのでしょうか?

風邪(ウイルス性上気道炎)は長引いたり、繰り返したりしません。1週間から10日ぐらいで治ってしまうのが風邪(ウイルス性上気道炎)です。しかも、ウイルス性ですので、抗生物質は効きません。

とういことは「風邪をひくと長くなるのです」など1、2週間以上続くような場合や「季節の変わり目になると」とか「しょちゅう風邪を引くのです」など繰り返すような場合は「風邪じゃないかも」です。

また、「軽いけど咳がずっと続きます」、「鼻水がよく出ます」など同じ症状が続く場合も「風邪じゃないかも」です。

風邪(ウイルス性上気道炎)はいろんな症状が変化をしながら出現して治っていきます。

軽いのならより早く治るはずですから、軽い症状が続く場合も「風邪じゃないかも」になります。

もう一つ、症状に波があるのもアレルギーを疑います。時間による波(例えば、朝になると鼻や咳がでる)、日にちによる波、季節による波などです。場所による波も「風邪じゃないかも」と思わないといけませんね。

 

基本的には風邪(ウイルス性上気道炎)と気道アレルギーの症状はよく似ているので、「風邪か?、アレルギーか?」は経過をみて「風邪じゃないかも」と思うことがスタートになるのです。風邪は風邪だからアレルギーじゃないと思ってしまうと見つけられないのです。

 

風邪も、アレルギーも

では、どこまでを風邪と言いましょうか?

もちろん、ウイルス性上気道炎の①までは風邪ですね。アレルギーも鼻が出たり、咳が出たりするので、③は広い意味での風邪(症状的)の中に入ります。

ということはすべて風邪をひくと言っている可能性があります。

 

ではアレルギーのある人が風邪(ウイルス性上気道炎)にかかるとどう考えたらいいのでしょうか?

もちろん風邪ではありますよね。しかし、「風邪か?アレルギーか?」ではなくて「風邪も、アレルギーも」ということになります。

ということは風邪とアレルギーの両方のことを考えていかないといけません。

 

アレルギーのある人が風邪をひくとどうなるのでしょうか?

次の表は喘息を引き起こす誘因を調べたものです。一番多いのが感冒すなわち風邪であり、喘息の約7割のひとが経験しているというアンケートです。

簡単いうと「喘息もちの人が風邪をひくと喘息発作が出やすい」ということになります。

喘息は気道アレルギーの疾患として有名ですが、もう一つ有名なのが花粉症やダニ・ハウスダストで起こる(アレルギー性)鼻炎です。

アレルギーというのは過敏症でもあります。すなわち鼻やノドや気管などの粘膜が敏感な人という特徴があります。

「アレルギーの人が風邪をひく」というのはいいかえると「鼻やノドや気管が敏感な人が風邪を引く」ということになります。

そうなるとアレルギーのない人が風邪を引いた場合に比べて、鼻や咳がひどくなりやすかったり、長引いたりしやすい人が多くなります。

副鼻腔炎になりやすかったり、喘息発作が出やすかったり、という病態もこうゆうことかもしれませんね。

鼻が出たり、咳が出たりという症状ですので副鼻腔炎や喘息発作まで広い意味での風邪という意味でいっているかもしれません。

反対に鼻や咳が続いたり、ひどくなったりするのは、もしかしたらアレルギーがあるかも・・・

風邪(ウイルス性上気道炎)を検査で診断することは軽い症状でも風邪かも思うたびに検査をすることになるので現実的ではないでしょう。

一方、アレルギーの検査は何回もするわけではありませんので、「もしかしたら」と思ったら一度受けてみておくとはっきりしますのでおススメです。

 

結局はアレルギーがあることが分かっているの人が風邪を引くと「風邪か?アレルギーか?」と考えてしまうとややこしくなってしまうので、

「アレルギーの上にさらに風邪も」と考えると簡単になります。特に秋は風邪(ウイルス性上気道炎)も引きやすく、アレルギー症状も出やすい時期になるので気をつけましょう。

治療の面からもアレルギーの治療をするのか?風邪の治療をするのか?ではなくて、アレルギーの治療に風邪の治療を加えるということになり、すごく単純になります。

 

風邪も改まって考えてみるといろんな事が見えてきます。

「風邪は万病のもと」ということわざは「万病(いろんな病気の集まり)のことを風邪という」という意味と

「風邪をきっかけに他の病気が出てくる」という意味の2つを合わせたものなのでしょう。

 

 

 

 

大人もかかるアデノウイルスの症状・治療について

2018-07-05
テーマ:お知らせ

最近になって一気に気温が上がり、暑い日が続いていますね。

こういう暑くなってくる時期は熱中症に要注意です。

また夏かぜと言われるプール熱(アデノウイルス感染症)・ヘルパンギーナ・手足口病が流行し始める時期でもあります。

当クリニック周辺の幼稚園でも一部ではありますが、プール熱(アデノウイルス感染症)が流行しているところもあります。

 

アデノウイルス感染症とは?

アデノウイルス感染症とはその名のとおり、アデノウイルスに感染しておこる病気のことです。

実はアデノウイルスには50種類以上の型が報告されてます。

その型によって発熱(高熱のことが多い)、ノドの痛みなどがでる咽頭炎や扁桃炎、眼の充血、目やになどが出る結膜炎、腹痛や下痢・嘔吐などが起こる胃腸炎など様々な症状が現れます。

中でも「プール熱」と言われる咽頭結膜熱はアデノウイルス3型・4型で発症しやすく、アデノウイルス感染症の3大症状である発熱(高熱)、咽頭痛、結膜炎すべてそろったものです。しかし、3大症状すべてそろわないことも多くありますので、それらをまとめてアデノウイルス感染症と呼んでます。また、結膜炎のみの場合は流行性角結膜炎(はやり目)と呼ばれ、アデノウイルス8型の感染で起こりやすいです。

アデノウイルス感染症の種類について説明しています。アデノウイルスには50種類以上の型があります。発熱(高熱)、ノドの痛み、結膜炎の3つがそろえば咽頭結膜熱(プール熱)になります。こればアデノウイルス3型・4型による感染で起こりやすいです。結膜炎のみの場合は流行性角結膜炎いわゆる流行り目と言われ、アデノウイルス8型に多いと言われています。

 

アデノウイルス感染症の経過と治療

アデノウイルス潜伏期

アデノウイルスは感染してから約5~7日の潜伏期間をおいてから発症します。

すぐには発症しません、感染の疑いのある人と接触すれば「1週間」は要注意です。

アデノウイルスは非常に感染力の強いウイルスです。インフルエンザと同じぐらいの感染力とも言われてます。

感染経路はくしゃみなどによる飛沫感染および便などからの糞口感染がほとんどです。

特にタオルは感染源として非常に重要で感染者との共用は絶対にしないでください。プール熱という名前がついているのもプールの中でうつるというだけでなく、脱衣所でもうつりやすいということです。

アデノウイルス発病期

発熱(高熱が続きやすい)・咽頭痛などの症状があれば検査をしましょう。周りにアデノウイルス疑いの人がいるようならなおさらです。

のどの突き当り(咽頭後壁)が真っ赤になっていたり、扁桃(腺)に白い膿がついていたりするようなら注意が必要です。

アデノウイルス簡易検査がありますので、10分ほどで診断が出来ます。(当クリニックでも検査可能です)

インフルエンザの検査と似ていますが、アデノウイルスは鼻からではなくのどの粘膜もしくは眼(結膜)の粘膜から採取しますので小さなお子さんでも簡単に出来ます。

もし、検査で陽性が出れば、残念ながらアデノウイルス感染症ということになります。

遅れて結膜炎が出てきたりもするので、基本的は咽頭結膜熱(プール熱)と同様の扱いになります。

要するに、しばらくは幼稚園・保育園・学校に行けないことになります。学校保健法上は「主要症状が消失した後、2日を経過するまで出席停止とする」となってます。簡単に言うと「熱が下がって2日間は周りのおともだちにうつすかもしれないので我慢してください」ということです。

 

では「どうすれば、幼稚園・保育園・学校に早く行けるようになりますか?」ですが、残念ながらアデノウイルスをやっつける薬はないので、自分の免疫力でウイルスを退治する方法しかありません。

咽頭痛や発熱の多くは5日前後で回復しますので、その間は最大限の免疫力を発揮できるように栄養をつけて、休息をとるようにしてください。全身状態が悪いようであれば、鎮痛解熱剤を使用することもあります。

特に小さなお子さんは発熱による体液の消失と咽頭痛による水分摂取不足のために脱水状態になることを気をつけましょう。

薬局などに売っている経口補水液でしっかりと水分の補給をしてあげてください。

 

また、アデノウイルスは子どもに多い病気ではありますが、大人にもうつる病気です。治療方法は子どもと同様に薬がありませんので自己免疫力で治すことになります。

大人には学校保健法が適応にはなりませんので、厳密なルールでの出勤停止はありません。事業所での判断によることになります。

 

アデノウイルス回復期

熱が下がっても2日間は自宅でゆっくりしましょう。

登園(校)許可書が必要な場合もありますので、幼稚園・保育園などに確認してみてください。当クリニックでも記入していますので必要であれば、お申し出ください。

登園(校)出来るようになっても、しばらくは便中からウイルスが排泄され続けます。

特に、入浴・プールなどでは熱が下がっても2週間前後は感染する可能性がありますので気をつけましょう。

 

アデノウイルス感染症の経過を説明しています。感染後5~7日間の潜伏期を経て高熱、咽頭痛、結膜炎などの症状で発症します。5日前後で症状は改善しますが、症状軽快後2日は保育園・幼稚園・学校は出席停止となります。またその後も2週間前後は糞便中にウイルスが残っている時期ですので感染のリスクが完全に無くなってはいません。

院内に「夏かぜ」のリーフレットも置いております。

プール熱だけではなく、手足口病やヘルパンギーナについても書いておりますリーフレットです。

ご自由にお持ち帰りください!

わしお通信 2016年7月号も参考にしてみてください!

大人もかかる溶連菌の症状・検査・治療について

2018-06-22
テーマ:お知らせ

お子さんたちの病気で「溶連菌」という病名をよく耳にすることがありますよね。

一般的には冬と春から初夏にかけて2つのピークがあるといわれていますが、他の時期にも感染しないことはないので1年中気を付ける必要がある病気です。

「溶連菌」ってなんでしょう?

溶連菌は溶血性連鎖球菌の略でα溶血とβ溶血するものがあり、β溶血がさらにA~V群(I・J除く)に分かれます。

しかし、一般的にはA群β溶血性連鎖球菌のことを指します。溶連菌が原因で起こる病気の総称を溶連菌感染症と呼び、そのほとんどの原因菌がA群β溶血性連鎖球菌になります。

 

では溶連菌は「かぜ」ですか?

答えはYESの時とNOの時があります。

どうしてでしょう。それは溶連菌ではなく「かぜ」という言葉の方に理由があります。

「かぜ」を教科書的な病名のかぜ症候群という意味で使えば、ウイルス性の上気道炎ということになり、細菌である溶連菌感染症ではないということになります。

しかし、皆さん(医者もそうかもしれませんが)が使っている「かぜ」という言葉は

のどが痛くて鼻水が出て、咳が出て、熱が出てというように原因・病名というより症状を表して使っていることが多いですね。

このような意味での「かぜ」であれば、溶連菌も「かぜ」の一つに含まれるということになります。

実はこの「かぜ」という意味を整理して使うことが治療に関係してきます。「かぜ」の治療に抗生物質を使うことの賛否を言われるようになってきました。

 

「かぜには抗生物質は効かない」という場合の「かぜ」はどちらの意味でしょう?

この場合、 「かぜ」はウイルス性の病気なので抗生物質は効かない という意味で使われています。

でも「かぜに抗生物質が効いた」という経験や話を聞いたこともあると思います。この場合はどうでしょう?

もし、この「かぜ」という意味が溶連菌も含めての意味であれば抗生物質が効いたのは十分理解できますね。

 

「かぜ」は

①ウイルス性上気道炎(かぜ症候群)

②症状をあらわしている言葉でたくさんの病気の集まり

という2種類の意味をわけて、使ってみると病院での治療や診断がわかりやすくなります。

 

溶連菌の健康保菌者???

それではノドが痛くなった場合の原因としての溶連菌はどれぐらい考えるのでしょう?

扁桃炎のうち溶連菌が原因であるのは大人で10%前後、子どもで15~30%ぐらいといわれています。

ノドが痛くなるのは扁桃炎以外でも咽頭炎、喉頭炎などありますので、もっと低い可能性ということになります。

また、溶連菌の特長として健康保菌者と考えがあります。

健康保菌者とは「溶連菌がいているのに症状が出ていない人」のとこをです。インフルエンザやアデノウイルス感染症の場合には考え方ですね。この健康保菌者は15~30%ぐらいいるとされています。

ですので、溶連菌の検査が陽性になっても、もしかしたら原因は別にあるかもしれない場合があるのです。

 

溶連菌感染症の症状は?

ではどんな症状があれば溶連菌を疑うのでしょうか?

代表的な症状は38度以上の急な発熱、ノドの痛みです。3歳未満ではあまり熱はあがらないと言われています。そして1~2日してから体や手足に発疹が出てきたり(猩紅熱)、舌にブツブツが出てきたり(イチゴ舌)します。腹痛や首のリンパが腫れたりすることもあります。

反対に鼻水や咳はあまり出ないのも溶連菌の特長です。

しかし、子どもの場合は元々、鼻水や咳が出ているときに溶連菌のにかかる時も多くありますので注意が必要です。

また、周りに溶連菌の感染者がいれば、もちろん疑わないといけません。潜伏期は2-4日と言われていますので、感染者と接触してからの日数も参考になります。

以上の症状と周囲の状況で、まずは疑います。次にノドの発赤、特に扁桃に白い膿がついていれば、疑いがさらに強くなりますので迅速検査で診断をしましょう。

 

溶連菌の迅速検査

ご存知の人も多いと思いますが、綿棒でノドの菌をこすり取って行います。当院の検査キットなら約5分で検査結果が出る簡単なものです。

Tの所に赤いラインが出れば陽性です(ちなみにCの青いラインは検査がきちんとできていることを意味します)

 

ここでも注意点が実はあります。それは溶連菌の死骸である死菌でも陽性になることがあるのです。また、先ほどの健康保菌者も陽性になります。ということは検査が陽性になっても原因ではないかもしれないということなのです。

ここで重要になってくるのが、症状とノドなどの所見になってきます。やはり疑わしい症状や所見あって、検査が陽性になれば非常に溶連菌感染症である可能性が高くなります。

反対に熱はあるけど、ノドは痛くなかったりノドが赤くなかったりすれば溶連菌が原因ではないかもしれません。

とはいえ検査で陽性になった場合、溶連菌が原因である可能性は十分に考えなければなりませんので、治療を開始いたします。

 

溶連菌の治療は

溶連菌は細菌であるので、抗生物質がよく効く感染症になります。

ペニシリン系の抗生物質を使うことが多く、セフェム系の抗生物質も有効であるとされています。また、ペニシリンンのアレルギーがある人のはマクロライド系の抗生物質を使用します。

割にどんな抗生物質も効果があるということになります。しかし、耐性菌の出現のことを考えると多くの抗生物質を使うことは良くないとされていますので、当院ではアレルギーなどの問題がなければペニシリンを使用しています。

ペニシリンの投与は10日間が推奨されています。少し長めの期間で、この投与期間も様々な意見がありますが、大きな問題がなければ最後まで飲み切りましょう。

ほとんどの場合、飲み始めて1~2日で解熱しますので、治療を開始後24時間経過して解熱していれば通園・通学が可能になります。完全な除菌を目指して、症状が無くなっても最後まで薬は飲みましょう。

しかし、1-2日しても解熱しない場合があります。これはもしかして溶連菌が原因ではないかもしれません。

ですので、当院では3-4日後に一度再診をして効果を認められれば、最後まで飲み切るようにしてもらっています。

 

溶連菌に尿検査は必要???

「溶連菌にかかったら、治った後に尿検査をしましょう」と以前は当院でも尿検査を行っていましたが、最近は行っていません。

元々、尿検査の意味は溶連菌の合併症である急性糸球体腎炎の早期発見が目的でした。

ではどれぐらいの確率で溶連菌後糸球体腎炎が発症するのでしょうか?正確な報告はありませんが、小児人口10万人当たり数人とされています。ようするに現在ではかなり稀な合併症と言えるのです。

また、検査のタイミングも難しいと考えられています。一般的には治癒後2~3週間後に尿検査を行うのですが、残念ながらその後に発症した場合には発見につながらないことになってしまいます。ということは何回も行わなくてはならないのです。

以上のことから尿検査の意義が低くなったとして当院では行っておりません。

しかし、急性糸球体腎炎は低い確率ではありますが合併症になりますので、血尿などの茶色い尿が出ないか、むくんだりして体重が増えたりしないか、などを小児の場合は1か月ほどは注意しておいてください。

 

もう一つの溶連菌感染症に有名な合併症がリウマチ熱です。こちらも年間の発症数が10例以下という非常な稀な状況になっています。ですので、現在はよほどのことがない限り経過観察する状況です。

溶連菌感染症の経過についての説明です。感染後2~4日後に咽頭痛・発熱などの症状で発症します。治療開始後24時間たって症状が改善しておれば、登校・登園可能となります。しかし、完全な除菌を目指すために合計10日間の投薬治療を行います。またその後も合併症である腎炎の発症有無を2~4週間は経過観察します。

溶連菌感染症の経過をまとめてみました。

 

 

 

わしお耳鼻咽喉科 TEL: 0798-56-8733 兵庫県西宮市瓦林町20-13
【診察】午前8:45~12:00 午後15:45~19:00【休診日】水曜と土曜の午後 日曜・祝日