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インフルエンザの薬って? ~新薬ゾフルーザのことも~

2019-02-01
テーマ:お知らせ

1月に入って、3学期が始まって、一気にインフルエンザが流行してきました。

当院では現在のところ、A型インフルエンザしか診断されていませんが、例年であれば、A型の流行後にB型が流行することが予想されます。

また、A型でもH1N1とH3N2の2種類タイプのインフルエンザが検出されています。

残念ながら運悪く、A型インフルエンザに2回なったという人もすでに出てきてます。「もう1回なったから」と言って「大丈夫」というわけには今年は行かないようです。まだまだ、しばらくは油断禁物で、注意が必要です。

 

今回はそのインフルエンザの治療薬についてまとめてみました。現在、インフルエンザの薬がたくさん出ています。

もうご存知の人も多いと思いますが、インフルエンザに使われる薬にタミフル、リレンザ、イナビルがあります。

それらに今シーズンから新薬のゾフルーザが加わりました。そのほかにラピアクタという点滴薬もあります。

 

では、たくさんある中からどの薬をえらべばいいのでしょうか ?

早く、よく効いて、副作用がない薬がいいのですが、残念ながらそんなPERFECTな薬はないのが実状です。

 

抗インフルエンザ薬の作用機序は

どの薬かを選ぶ前にインフルエンザの薬とはどのようなものか知ってますか?

実はインフルエンザの薬というのはインフルエンザを治す薬でないのです。もっとも風邪薬も風邪を治す薬ではないですね。

しかし、風邪薬のように症状を緩和するような薬ではありません。あくまでインフルエンザにしか効果のないインフルエンザ専用の薬です。

ではどのような効果なのでしょうか?

抗インフルエンザ薬というのはインフルエンザウイルスが増殖するのを抑える効果のある薬です。

 

インフルエンザウイルスは咳などで空中にいる浮遊しているウイルスを吸い込むことによって体の中に入ります。(飛沫感染もしくは空気感染)

その後、「すばやく」、のどの粘膜の細胞の中に入り込みます。すばやく入ってしまうので、残念ながら、インフルエンザにはうがいが効果的ではありません。

(もちろん、他のウイルスなどには効果はありますので、うがいに意味がないということではありません)

細胞に入ったインフルエンザウイルスは急激に増殖していきます。その細胞から飛び出したインフルエンザウイルスが別の細胞に入り、また増殖をします。

これを繰り返すことによって、どんどんウイルスが増殖するのです。その増殖スピードが速いため、さっきまで元気だったのに、急に熱が出てきたりするのです。

抗インフルエンザ薬はその増殖に抑えることによってインフルエンザに効きます。要するにインフルエンザウイルスを退治する薬ではなくて、「増えるのを抑える薬」になるのです。

ということは今、体内にいるインフルエンザウイルスは自分の免疫力で退治することになります。

増殖を抑える薬である抗インフルエンザ薬ですが、抑えるポイントが違う2種類の薬があります。

一つ目がノイラミニダーゼ阻害薬といわれるタミフル、リレンザ、イナビルです。以前からあるお薬です。

これらはインフルエンザウイルスが細胞から飛び出すこと(遊離)を邪魔することによってウイルスの増殖を抑えるという薬です。

もう一つはCapエンドヌクレアーゼ阻害薬といわれる薬です。この薬はインフルエンザウイルスが増えること自体を抑える薬で今シーズンから使用可能になったゾフルーザがこの薬になります。

どちらもウイルスの増殖を抑えるという効果に違いはありません。ですので、インフルエンザに罹った人の熱の下がり方など、効果に差があるものではありません。

 

インフルエンザは薬を飲まないと治らない?

あくまでも、抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑える作用です。増えきってしまえば、どの薬でも効果が期待できないということになります。

増えきるまでの時間が発症後およそ48時間になります。ですので、熱が出始めてから48時間以内に薬を使わないと効果が期待出来ません。

さらに言えば、ウイルスはどんどん増えていきますので、出来るだけ早く使った方がよく効くということです。

 

では、そもそも抗インフルエンザ薬を使わないとインフルエンザは治らないのでしょうか?

実はそんなことはありません。薬を使わなくても「7~10日ぐらい」で「普通は」治ってしまいます。もし、抗インフルエンザ薬の効果がない場合であっても通常は治ってしまいます。

では、どうしてインフルエンザの薬は使うのでしょう?

使う理由は「早く治す」、「重症化しないように治す」ために使用するのです。「早く治す」のは、もちろん、早く楽になってもらうためですが、加えて、周りの人にうつす期間を短くするためでもあります。

もう一つ、「重症化しないように」治すことがインフルエンザの場合、大切になります。

重症化というのは単に熱が高いということではなくて、合併症である脳症や肺炎などにならないようにということです。そうすれば、インフルエンザも怖い病気ではなくなってしまします。

ということは、重症化のリスクが少ない軽症のインフルエンザは周りの状況によっては抗インフルエンザ薬を使わないという選択肢があるということです。

特に、発症後48時間は経過観察して、症状に変化が起これば投薬するということも可能です。

 

抗インフルエンザ薬は副作用の少ない薬剤であると考えられています。しかし、副作用のない薬は、残念ながら、ありません。

「インフルエンザだから、インフルエンザの薬を」ではなく、しっかりと状況に合わせて、どの薬を、だけでなく「使わない」ことも選択肢のなかに入れて治療法を選びましょう。

 

今までの抗インフルエンザ薬と新薬ゾフルーザの違いは

では何に差があるのでしょうか?

Capエンドヌクレアーゼ阻害薬の方が、インフルエンザの人の効果は同じですが、「人にうつす感染期間が短くなる可能性がある」と言われています。

しかし、残念ながらゾフルーザにも欠点があるのではと以前から言われていました。それは耐性の問題です。

耐性というのは要するに効かないウイルスのことです。ウイルスのしても最近にしても生物ですので常に進化していきます。特に複雑でないウイルスなどの生物は特に変化しやすいとも言えます。

今まで抗生剤なども耐性菌との戦いでした。むしろイタチごっこといってもいいかもしれません。新しい薬を作ってもどんどん使ってしまうとウイルスや細菌が進化をして効かなくなるのです。

出て間もないゾフルーザですが、国立感染症研究所がH31.1.28現在でA型インフルエンザの一つであるH3N2に対して9.5%に耐性があるという報告をしています。

今シーズンのインフルエンザはH1N1のA型インフルエンザとB型インフルエンザの報告もあり、これらにはゾフルーザの耐性は認められてません。

ちなみにタミフルとリレンザにはH3N2には耐性の報告はありませんが、H1N1にはそれぞれ0.3%の耐性が報告されています。どの薬にも一定の効かないウイルスがいるということになります。

 

もっと詳しく知りたい方は次のアドレスを参考にしてみて下さい。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/influ-resist.html

 

抗インフルエンザ薬の選び方は?

ではどの薬がいいのでしょうか?

簡単に言ってしまいますと、すべての抗インフエウエンザ薬に良いところと悪いとことがあります。

まあ、おススメの一つがあるのではなくて、いろんな薬があるということはそういうことになりますよね。

 

それでは選んでいくポイントなります。まず初めは年齢です。

吸入薬は5歳以上が適応年齢になります。しかし、実際には吸入がうまくできるのが小学生以上ということが多いので、

保育園・幼稚園までのお子さんは内服薬が中心になるでしょう。さらに錠剤が飲めるかがポイントになります。

ゾフルーザは現在のところ、錠剤しかありませんので、錠剤が難しいお子さんはタミフル(のドライシロップ)を選ぶ形になります。

吸入が可能な小学生以上で、錠剤が飲める人は4種類の中から選ぶ形になります。

次に、一回で済む薬か、朝夕2回を5日間の薬か、になります。

もちろん、手軽さを考えれば、1回で済むイナビルもしくはゾフルーザになるでしょう。残念ながら、1回であっても、朝夕2回を5日であっても、効果の出方に違いがあるわけではないので、「1日で治るということではありません」、あしからず。

しかし、1回であるという欠点も考えておいた方が良いでしょう。それは、効果が出るのが想像していた時期より遅くなった場合です。

基本的には一回で済む薬でも、朝夕2回を5日間の薬でも、追加で抗インフルエンザ薬を使用することはありません。

ですので少し不安になったりするかもしれません。

もう1点は、吸うことや錠剤を飲むことに不安があるともう一回ということが難しい点です。

その辺りを念頭に置いて、どちらかを選ぶ形になります。

 

その次に内服薬もしくは吸入薬を選びましょう。

1回で済む薬を選んだ人は吸入タイプのイナビルか錠剤タイプのゾフルーザになります。

ポイントは新薬ゾフルーザです。新薬ということは実際に使われた数がまだまだ少ないために、これからいろんな情報が出てくる可能性があるということです。その一つが前述の耐性の問題です。

もちろん、うまく効果が出れば、他に人にうつすリスクが他の薬より低くなる可能性があるので、まだ罹っていない家族が多くいる家庭では良いのかもしれませんね。

そのあたりを考慮してイナビルかゾフルーザかを選びましょう。

 

朝夕2回を5日間の薬を選んだ人は内服薬(カプセルまたはドライシロップ)タイプのタミフルか吸入タイプのリレンザかになります。

以前は異常行動の主犯として扱われていたタミフルです。しかし、今では添付文書も改定になり、10代の患者さんへの投薬制限がなくなりました。

タミフル以外のリレンザ、イナビル、ゾフルーザなどでも異常行動の報告はありますし、抗インフルエンザ薬を使用していないケースでも異常行動の報告が認められます。

ですから、インフルエンザであれば、薬を使わなくても、どの薬を選んでも、異常行動には注意が必要になります。

タミフルもリレンザも20年近く使用されてきた薬剤で、データのがあり、実績のある薬です。悪いところも出尽くしているといってもいいでしょう。

そういう意味では比較的副作用の少ない薬とも言えます。両者に大きな差はないと考えています。使いやすさやイメージで決めるとよいでしょう。

 

最後にもう一つ、点滴の抗インフルエンザ薬であるラピアクタもあります。作用機序はタミフル、リレンザ、イナビルと同じノイラミニダーゼ阻害薬になります。

一回の点滴になりますが、基本的には重症のインフルエンザの人や他の薬を使うことが出来ない人が対象になります。

まずはラピアクタ以外の薬から選んでいきましょう。

 

最後に、どの抗インフルエンザ薬にも一長一短があります。

あくまでも、インフルエンザ治療の原則を理解して、また、それぞれの治療薬の特長を理解して選びましょう。

 

わしお耳鼻咽喉科ではすべての抗インフルエンザ薬が処方可能です。相談しながら処方を決めておりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

インフルエンザ検査の活用法

2018-12-23
テーマ:お知らせ

今週に入ってインフルエンザの患者さんがちらほら現れました。現在のところA型の方ばかりです。例年、冬休みに入ると一旦落ち着く傾向にありますが油断は禁物です。

やはり、例年通りに本格的な流行は1月中旬から下旬~2月になりそうです。

今はまだまだ流行といった感じでありませんが、今のうちにインフルエンザの診断をおさらいしてみましょう

 

インフルエンザの診断

インフルエンザの診断は「自覚症状」、「周りの状況」、「迅速検査」の3つの柱で行います。

自覚症状は急激な高熱、頭痛、悪寒、関節痛などに咳やノドの痛みなどです。

しかし、インフルエンザ以外の感染症などでも同様の症状が出ることもあります。溶連菌やアデノウイルス感染症もノドの痛みや高熱を訴える病気ですし、マイコプラズマ感染症は高熱と咳が特徴的な症状になります。

また、反対に微熱や熱がない場合、あまり症状がひどくない場合でインフルエンザの時もあります。

ですので、診断の精度を上げるためには周りの状況というのは大切なポイントになります。学校や幼稚園・保育園でどんなん病気が流行っているかは大事な情報となります。もちろん、まずは流行っている病気から疑うことになりますので・・・

じゃあ次はインフルエンザの検査、っと その前に病院で特に耳鼻咽喉科では視診という大切な情報があります。

視診というのは文字とおり視た診察ということです。インフルエンザでは「あまりノドが赤くならない」のが特徴と言えるでしょう。

ものすごくのどが赤くなったり、膿が付いたり、していれば、「もしかしたらインフルエンザではないかも?」という判断でインフルエンザの検査より別の検査を優先することもあります。

 

インフルエンザの検査

実はインフルエンザの検査に限らず、どの検査においても偽陽性、偽陰性という結果が出てきます。

インフルエンザの検査の場合、偽陽性とはインフルエンザではないのに検査で陽性になることです。インフルエンザに限っていえば、ほとんど見られない結果ですので無視して良いと考えます(表で\の部分)。もう一つの偽陰性とはインフルエンザだけど検査で陰性になることです(表では黄色の部分)。これは十分あり得る結果です。

残念ながら、偽陰性を少なくする方法としては、疑いがあれば、何回も検査をすることになります。

しかし、治療のことを考えると48時間以内に抗インフルエンザ薬を使わないと効果的ではないため、検査を診断をつけるためだけに行うのは疑問が残ることになります。

ですので、偽陰性が起こることを想定に入れて検査や治療を行うことが大切になります。

ときどき、「インフルエンザではないかを検査で調べてほしい」という事があります。

しかしながら、どんな検査も100%の精度であることはないので、迅速検査では「陽性だからインフルエンザ」といえても「陰性だからインフルエンザではない」とは言えないのです。

あくまで「インフルエンザかどうかを調べる検査」なのです。

仮に陰性になったとしても、自覚症状の経過や周りの状況に気をつけながら、可能性があれば発症48時間以内なら再検査も考える必要があります。

また、発症から12時間以上経過すれば必ずインフルエンザなら陽性になるということでもありません。反対に12時間以内ならインフルエンザでも全く検査が陽性にならないということでもありません。可能性の話ですので12時間以内でも陽性になることはいくらでもあります。

周りの状況が流行しているような場合、早期治療が効果的なインフルエンザは積極的に検査を行う方が良いと考えます。

12時間以内の精度を上げるために高感度のインフルエンザ迅速検査を採用していますので早めの検査をおススメします。

また、2019年度の「わしお耳鼻咽喉科 カレンダー」を作成いたしました。

受付においておりますので、ご自由にお持ち帰り下さい

 

「風邪か?アレルギーか?」と「風邪も、アレルギーも」

2018-10-27
テーマ:お知らせ

最近になって朝、晩の気温が下がってきましたね。寒暖の差が大きくなっています。

「風邪ひいた」という人が多くなっているのでないでしょうか?

「風邪をひく」というのはよく使う表現ですよね。ではどんな時に使うのでしょうか?

鼻が出たり、咳が出たり、熱が出たり、のどが痛くなったり、などなどの症状があるときに使いますね。

ここで少し「風邪」について整理をしてみましょう。

 

風邪って何だろう?

「風邪ってなんでしょう?」って改まって聞かれると答えにくいですね。実はそれは医者も同じなのです。

そこでちょっと風邪について考えてみましょう。

 

実は風邪には二つの意味があります。

➊ウイルス性上気道炎(狭い意味での風邪)

❷症状を表す疾患でいろんな病気の集まりのこと(広い意味での風邪)

皆さんはどちらの意味で使っているのでしょうか?

➊の意味は「ウイルスが原因」で「鼻やノドに炎症」が起こるということです。医学書ではこのウイルス性上気道炎のことを風邪(症候群)としていることが多いです。ではどのようにしてウイルス性上気道炎は診断するのでしょうか?

 

ウイルスが原因ってどうすればわかるの?

風邪(ウイルス性上気道炎)の原因となるウイルスは季節によっても変わりますが、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどの順で多いと言われています。

「ええっ、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスも風邪なの」と思った人もいるかもしれません。実は症状が軽ければ風邪(ウイルス性上気道炎)の中に入っているのです。

診断としてはRSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスは迅速簡易抗原検査で判断することが多いですが、それ以外のウイルスは血液検査でウイルス性かどうか判断します。(血液検査ではどのウイルスかは分かりません)

ただし、迅速抗原検査も血液検査も風邪の疑いがある人の全員にすべての検査をすることはあまり有意義ではありませんから、年齢や重症度、周りでの流行などを考慮してタイミングを図りながら行うことが多い検査になります。ですから、検査なしで風邪と診断した場合は「ウイルス性と思いますが・・・」ということになります。

 

その検査以外でウイルス性を疑うポイントがあります。それは症状です。

①鼻や咳などいろんな症状がある

②症状が変化する

③1週間から10日ぐらいで軽快し、繰り返さない

ということは「2週間前からずうっと鼻が出る」「1か月前から咳だけが続いている」などの症状はウイルス性ではないかもしれません。

 

上気道炎って?

病院などの診断で「〇〇炎」って言葉を耳にしたことはありませんか?

例えば、「肺炎」「気管支炎」「中耳炎」「副鼻腔炎」などです。これは「肺に炎症がある」、「気管支に炎症がある」、「中耳に炎症がある」、「副鼻腔に炎症がある」という意味で炎症の場所を表す病名になります。ということは上気道炎というのは「上気道に炎症がある」という意味です。

では上気道とはどこでしょう?簡単に言うと鼻・口から喉の奥までを指します。

鼻・口から肺までの空気が通る道を気道と言います。喉の奥までを上気道と気管から肺までを下気道と上下に分けています。

上気道の専門である耳鼻咽喉科では鼻・喉(口腔・咽頭)と喉の奥(喉頭)を診ることができますので、そこに炎症があるかどうかが視診で診断することができます。

 

結局、風邪って?

しかし、多くは「のどが痛くて、鼻や咳が出て、時に熱が出るなど」の症状があれば「風邪をひいた」といいますね。

ということは❷の意味で使っていることの方がよくあるのではないでしょうか。

これはウイルス性上気道炎以外の病気であっても風邪とよく似た症状(鼻や咳が出て、のどが痛くて、熱などある)があれば、なんとなしに風邪と呼んでいるということになります。

(場合によっては単に体調が悪いということを風邪と呼んでいるかもしれません)

なかなか病院でも風邪(ウイルス性上気道炎)とキチンと診断することは難しいのですから、医者の診断であっても風邪の意味はウイルス性上気道炎ではなくて

風邪っぽい症状がある色んな病気の集まりということのほうが多いのです。ここに風邪の診断で???になるポイントがあるのです。

例えば、熱が出て喉が痛くなる扁桃炎や鼻水が出る副鼻腔炎なども風邪(ウイルス性上気道炎)ではないかもしれませんが、風邪(症状的)と言われることがあるのです。

また、インフルエンザやRSウイルス感染症、溶連菌感染症なども風邪(症状的)と診断があっても間違いではないことになります。

 

風邪は「風邪(ウイルス性上気道炎)です」という意味より「風邪としてしばらく経過を診ましょう」ということです。

風邪(ウイルス性上気道炎)とは少し違うかなと判断すれば検査などを追加して、診断名が変わることがよくある話になります。

(例えば「風邪と言われたのに溶連菌感染症だった」などなど)

病院では2つの意味の風邪が混ざって話をしていることが多いので、今はどちらの意味で使っているかを整理すると分かりやすくなります。

 

アレルギーの症状は?

ではアレルギーにはどんな症状があるのでしょうか?

アレルギーにもたくさん種類があるのでここでは吸入性アレルゲンによる気道アレルギーを中心に考えてみましょう。

吸入性アレルゲンとは空中に浮遊していて吸い込むことによって気道にアレルギーを引き起こす原因のことを言います。例えば、花粉やダニ(ハウスダスト)などが主な吸入性のアレルゲンになります。中でも秋に多いのが(ヒョウヒ)ダニになります。ダニは1年中あるのですが、夏場に増えた生ダニが秋になって死んでいくので死ダニがもっとも秋に多くなるのです。

さらにダニの死がいやフンは花粉に比べて小さいために気道の奥(下気道)にまで入り込みやすいという特徴もあります。

下気道(気管や肺)でアレルギーが起こると咳という症状になります。

秋に多くなったダニの死がいやフンを吸い込むことによって鼻水や咳が出やすくなるのです。ということは、もしかしたら鼻や咳が出る症状があるためにアレルギー症状のことを風邪(症状的)と呼んでいるのかもしれないということになります。さらに、アレルギーによる鼻炎症状で鼻づまりがあると口呼吸になるために乾燥によるノドの痛みがあることもよくあるのです。

もう、そうなるとなおさら風邪(症状的)と言ってしまっても不思議ではないですね。

 

どうやってアレルギーと疑うのでしょうか?

風邪(ウイルス性上気道炎)とアレルギーとは見分けるのポイントは「風邪じゃないかも」と疑うことになります。

では、どんな症状が「風邪じゃないかも」と疑うポイントになるのでしょうか?

風邪(ウイルス性上気道炎)は長引いたり、繰り返したりしません。1週間から10日ぐらいで治ってしまうのが風邪(ウイルス性上気道炎)です。しかも、ウイルス性ですので、抗生物質は効きません。

とういことは「風邪をひくと長くなるのです」など1、2週間以上続くような場合や「季節の変わり目になると」とか「しょちゅう風邪を引くのです」など繰り返すような場合は「風邪じゃないかも」です。

また、「軽いけど咳がずっと続きます」、「鼻水がよく出ます」など同じ症状が続く場合も「風邪じゃないかも」です。

風邪(ウイルス性上気道炎)はいろんな症状が変化をしながら出現して治っていきます。

軽いのならより早く治るはずですから、軽い症状が続く場合も「風邪じゃないかも」になります。

もう一つ、症状に波があるのもアレルギーを疑います。時間による波(例えば、朝になると鼻や咳がでる)、日にちによる波、季節による波などです。場所による波も「風邪じゃないかも」と思わないといけませんね。

 

基本的には風邪(ウイルス性上気道炎)と気道アレルギーの症状はよく似ているので、「風邪か?、アレルギーか?」は経過をみて「風邪じゃないかも」と思うことがスタートになるのです。風邪は風邪だからアレルギーじゃないと思ってしまうと見つけられないのです。

 

風邪も、アレルギーも

では、どこまでを風邪と言いましょうか?

もちろん、ウイルス性上気道炎の①までは風邪ですね。アレルギーも鼻が出たり、咳が出たりするので、③は広い意味での風邪(症状的)の中に入ります。

ということはすべて風邪をひくと言っている可能性があります。

 

ではアレルギーのある人が風邪(ウイルス性上気道炎)にかかるとどう考えたらいいのでしょうか?

もちろん風邪ではありますよね。しかし、「風邪か?アレルギーか?」ではなくて「風邪も、アレルギーも」ということになります。

ということは風邪とアレルギーの両方のことを考えていかないといけません。

 

アレルギーのある人が風邪をひくとどうなるのでしょうか?

次の表は喘息を引き起こす誘因を調べたものです。一番多いのが感冒すなわち風邪であり、喘息の約7割のひとが経験しているというアンケートです。

簡単いうと「喘息もちの人が風邪をひくと喘息発作が出やすい」ということになります。

喘息は気道アレルギーの疾患として有名ですが、もう一つ有名なのが花粉症やダニ・ハウスダストで起こる(アレルギー性)鼻炎です。

アレルギーというのは過敏症でもあります。すなわち鼻やノドや気管などの粘膜が敏感な人という特徴があります。

「アレルギーの人が風邪をひく」というのはいいかえると「鼻やノドや気管が敏感な人が風邪を引く」ということになります。

そうなるとアレルギーのない人が風邪を引いた場合に比べて、鼻や咳がひどくなりやすかったり、長引いたりしやすい人が多くなります。

副鼻腔炎になりやすかったり、喘息発作が出やすかったり、という病態もこうゆうことかもしれませんね。

鼻が出たり、咳が出たりという症状ですので副鼻腔炎や喘息発作まで広い意味での風邪という意味でいっているかもしれません。

反対に鼻や咳が続いたり、ひどくなったりするのは、もしかしたらアレルギーがあるかも・・・

風邪(ウイルス性上気道炎)を検査で診断することは軽い症状でも風邪かも思うたびに検査をすることになるので現実的ではないでしょう。

一方、アレルギーの検査は何回もするわけではありませんので、「もしかしたら」と思ったら一度受けてみておくとはっきりしますのでおススメです。

 

結局はアレルギーがあることが分かっているの人が風邪を引くと「風邪か?アレルギーか?」と考えてしまうとややこしくなってしまうので、

「アレルギーの上にさらに風邪も」と考えると簡単になります。特に秋は風邪(ウイルス性上気道炎)も引きやすく、アレルギー症状も出やすい時期になるので気をつけましょう。

治療の面からもアレルギーの治療をするのか?風邪の治療をするのか?ではなくて、アレルギーの治療に風邪の治療を加えるということになり、すごく単純になります。

 

風邪も改まって考えてみるといろんな事が見えてきます。

「風邪は万病のもと」ということわざは「万病(いろんな病気の集まり)のことを風邪という」という意味と

「風邪をきっかけに他の病気が出てくる」という意味の2つを合わせたものなのでしょう。

 

 

 

 

大人もかかるアデノウイルスの症状・治療について

2018-07-05
テーマ:お知らせ

最近になって一気に気温が上がり、暑い日が続いていますね。

こういう暑くなってくる時期は熱中症に要注意です。

また夏かぜと言われるプール熱(アデノウイルス感染症)・ヘルパンギーナ・手足口病が流行し始める時期でもあります。

当クリニック周辺の幼稚園でも一部ではありますが、プール熱(アデノウイルス感染症)が流行しているところもあります。

 

アデノウイルス感染症とは?

アデノウイルス感染症とはその名のとおり、アデノウイルスに感染しておこる病気のことです。

実はアデノウイルスには50種類以上の型が報告されてます。

その型によって発熱(高熱のことが多い)、ノドの痛みなどがでる咽頭炎や扁桃炎、眼の充血、目やになどが出る結膜炎、腹痛や下痢・嘔吐などが起こる胃腸炎など様々な症状が現れます。

中でも「プール熱」と言われる咽頭結膜熱はアデノウイルス3型・4型で発症しやすく、アデノウイルス感染症の3大症状である発熱(高熱)、咽頭痛、結膜炎すべてそろったものです。しかし、3大症状すべてそろわないことも多くありますので、それらをまとめてアデノウイルス感染症と呼んでます。また、結膜炎のみの場合は流行性角結膜炎(はやり目)と呼ばれ、アデノウイルス8型の感染で起こりやすいです。

アデノウイルス感染症の種類について説明しています。アデノウイルスには50種類以上の型があります。発熱(高熱)、ノドの痛み、結膜炎の3つがそろえば咽頭結膜熱(プール熱)になります。こればアデノウイルス3型・4型による感染で起こりやすいです。結膜炎のみの場合は流行性角結膜炎いわゆる流行り目と言われ、アデノウイルス8型に多いと言われています。

 

アデノウイルス感染症の経過と治療

アデノウイルス潜伏期

アデノウイルスは感染してから約5~7日の潜伏期間をおいてから発症します。

すぐには発症しません、感染の疑いのある人と接触すれば「1週間」は要注意です。

アデノウイルスは非常に感染力の強いウイルスです。インフルエンザと同じぐらいの感染力とも言われてます。

感染経路はくしゃみなどによる飛沫感染および便などからの糞口感染がほとんどです。

特にタオルは感染源として非常に重要で感染者との共用は絶対にしないでください。プール熱という名前がついているのもプールの中でうつるというだけでなく、脱衣所でもうつりやすいということです。

アデノウイルス発病期

発熱(高熱が続きやすい)・咽頭痛などの症状があれば検査をしましょう。周りにアデノウイルス疑いの人がいるようならなおさらです。

のどの突き当り(咽頭後壁)が真っ赤になっていたり、扁桃(腺)に白い膿がついていたりするようなら注意が必要です。

アデノウイルス簡易検査がありますので、10分ほどで診断が出来ます。(当クリニックでも検査可能です)

インフルエンザの検査と似ていますが、アデノウイルスは鼻からではなくのどの粘膜もしくは眼(結膜)の粘膜から採取しますので小さなお子さんでも簡単に出来ます。

もし、検査で陽性が出れば、残念ながらアデノウイルス感染症ということになります。

遅れて結膜炎が出てきたりもするので、基本的は咽頭結膜熱(プール熱)と同様の扱いになります。

要するに、しばらくは幼稚園・保育園・学校に行けないことになります。学校保健法上は「主要症状が消失した後、2日を経過するまで出席停止とする」となってます。簡単に言うと「熱が下がって2日間は周りのおともだちにうつすかもしれないので我慢してください」ということです。

 

では「どうすれば、幼稚園・保育園・学校に早く行けるようになりますか?」ですが、残念ながらアデノウイルスをやっつける薬はないので、自分の免疫力でウイルスを退治する方法しかありません。

咽頭痛や発熱の多くは5日前後で回復しますので、その間は最大限の免疫力を発揮できるように栄養をつけて、休息をとるようにしてください。全身状態が悪いようであれば、鎮痛解熱剤を使用することもあります。

特に小さなお子さんは発熱による体液の消失と咽頭痛による水分摂取不足のために脱水状態になることを気をつけましょう。

薬局などに売っている経口補水液でしっかりと水分の補給をしてあげてください。

 

また、アデノウイルスは子どもに多い病気ではありますが、大人にもうつる病気です。治療方法は子どもと同様に薬がありませんので自己免疫力で治すことになります。

大人には学校保健法が適応にはなりませんので、厳密なルールでの出勤停止はありません。事業所での判断によることになります。

 

アデノウイルス回復期

熱が下がっても2日間は自宅でゆっくりしましょう。

登園(校)許可書が必要な場合もありますので、幼稚園・保育園などに確認してみてください。当クリニックでも記入していますので必要であれば、お申し出ください。

登園(校)出来るようになっても、しばらくは便中からウイルスが排泄され続けます。

特に、入浴・プールなどでは熱が下がっても2週間前後は感染する可能性がありますので気をつけましょう。

 

アデノウイルス感染症の経過を説明しています。感染後5~7日間の潜伏期を経て高熱、咽頭痛、結膜炎などの症状で発症します。5日前後で症状は改善しますが、症状軽快後2日は保育園・幼稚園・学校は出席停止となります。またその後も2週間前後は糞便中にウイルスが残っている時期ですので感染のリスクが完全に無くなってはいません。

院内に「夏かぜ」のリーフレットも置いております。

プール熱だけではなく、手足口病やヘルパンギーナについても書いておりますリーフレットです。

ご自由にお持ち帰りください!

わしお通信 2016年7月号も参考にしてみてください!

わしお耳鼻咽喉科 TEL: 0798-56-8733 兵庫県西宮市瓦林町20-13
【診察】午前8:45~12:00 午後15:45~19:00【休診日】水曜と土曜の午後 日曜・祝日