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もうひとつの春花粉症 ~ハンノキ花粉症~

2018-04-20
テーマ:お知らせ

そろそろ、スギ花粉の飛散は終わり、ヒノキ花粉のピークも過ぎて、あと2週間ほどで春花粉症の時期は過ぎようとしてます。

ところで花粉症といえばどんな種類の花粉が思い浮かびますか?

真っ先に思い浮かべるのはスギ花粉ではないかと思います。その次にヒノキや秋花粉のブタクサやヨモギ、よくご存じの方ならイネ科(カモガヤ)などが出てくると思います。

その他にハンノキ花粉症というのが出てくるのであれば、かなり花粉症の知識が豊富な人です。

 

ハンノキ花粉症

ハンノキとはカバノキ科ハンノキ属の植物で、西宮では六甲山に自生していますオオバヤシャブシが同じ種類になります。

同じカバノキ科ではカバノキ属のシラカンバ(白樺)が有名です。実はこのシラカンバにも花粉症があるのです。シラカンバは北海道を中心に東北などに多く生えていますが、関西にはほとんどありません。また北海道にはスギやヒノキが植林されてないので北海道の春の花粉症といえば「シラカンバ花粉症」なのです。

ですので、主に1-5月に花粉が飛散するオオバヤシャブシも春の花粉症で注意しなければなりません。

しかし、ハンノキ花粉症にはスギ・ヒノキ花粉症ではあまり見られない花粉-食物アレルギー症候群(口腔アレルギー症候群)との関係が非常に強い花粉症なのです。

「オオバヤシャブシ」の画像検索結果

西宮市の花粉情報にもカバノキ属の花粉情報がありますので、参考にしてください

 

食物-花粉アレルギー症候群(PFAS)とは

「リンゴや桃を食べてのどがイガイガしたり、かゆくなったり」はしませんか?

口腔アレルギー症候群とも言われる症状なのですが、花粉症で鼻の調子が悪かったり、目がかゆくなったりする人が野菜や果物を食べてのどがイガイガしたり、かゆくなったりすることが時々見られます。

実はハンノキ花粉症の人に起こりやすいということがわかってきました。

シラカンバ花粉にBet v 1というタンパク質があります。最近ではこのタンパク質に対するアレルギーがシラカンバ花粉症の原因の一つと考えられてます。このBet v 1はハンノキのAln g 1というタンパク質と非常に似ている構造をしています。

他にリンゴのMal d 1や桃のPru p 1、大豆のGly m 4などとも構造が似ていています。これらはPR-10という野菜や果物によく含まれている汎アレルゲンといわれるタンパク質なのです。

置き換えるとハンノキ花粉症はPR-10を含む花粉症や野菜・果物の食物アレルギーの可能性があり、合わせてPR-10アレルギーともいえるのです。

少し難しいことを書きましたが、簡単に言うとハンノキ花粉症はよく似たタンパク質をもつ野菜や果物でアレルギーを起こしやすいということになります。

気を付けないといけない食べ物はリンゴ、桃、ナシ、ビワ、サクランボ、イチゴなどのバラ科の果物やセロリ、ニンジン、大豆などです。

 

PR-10は熱や酸に弱い

では、これらの果物や野菜は全部食べれないのでしょうか?

PR-10は熱に弱いのです。ということは加熱すれば食べれることが多いアレルギーになります。

「リンゴは喉がイガイガするけど加熱をしてあるアップルパイやリンゴジャムを大丈夫」というのはよくあることになります。

加工してあるリンゴ食品は加熱処理によってPR-10が変性して抗原性を失ったためにアレルギー反応を起こさなくなったのです。

また、PR-10は酸にも弱いのです。ですから胃酸ある胃を通り抜けたら抗原性を失ってアレルギー反応は起こりにくい状態になります。

ですから、全身に起こるアレルギー反応より口から喉だけの症状が多くなります。

 

豆乳は注意が必要

しかし、うまく胃酸の影響をくぐり抜けてしまう食べ物があります。それは豆乳です。

豆乳アレルギーはアナフィラキシーショックを起こす可能性があるといわれています。

気を付けないといけませんが、同じ大豆製品である醤油や味噌などではアナフィラキシーを起こすことは少なくて、豆腐も少量であれば問題ないことが多いです。

豆乳は大豆のアレルギーになりますが、アレルギー検査(血液検査)では豆乳アレルギーは大豆が陰性になることがあります。豆乳アレルギーの原因になるGly m 4は検査に使われる大豆キットにはあまり多く含まれていないようです。ですので、検査では陽性にならないことがあります。

現在は大豆のタンパク質の一つであるGly m 4というアレルゲンコンポーネントを直接検査できる様になりました。このGly m 4を調べることによって豆乳アレルギー診断の精度をぐっとあげることができました。

それにたしか、Gly m 4はPR-10の仲間でしたね。ということは豆乳アレルギーだけではなく、PR-10アレルギー診断の精度をあげることができるのです。

 

春のハンノキ花粉症は果物や野菜のアレルギーを合併することがあります。

しかし、口腔内のみの症状が多く、加熱すれば食べれることが多いです。ただし、豆乳はアナフィラキシーの報告が多いので注意しましょう。