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花粉症の注射は2種類!比較して解説します

2018-02-23
テーマ:お知らせ

まだまだ寒い日が続きますが、そろそろスギ花粉の本格飛散の開始の時期になってきました。

「えっ、もう花粉症の症状が出ているけど、まだ花粉は飛んでないの」と思っている方もいるかもしれませんね。

よく言う飛散開始というのは「本格的に花粉が飛び始まますよ」ということなのです。飛散開始日の定義は「2日連続で花粉を1㎠に1個以上観測した初めの日」ということになっているので連続で飛んでなかったりすると飛散開始とは言わないのです。

ですので、飛散開始日前でも花粉は少しずつ飛び始めているのです。

また、花粉症の方は過敏症でもあるので、温度差などの色々な刺激にも過敏になり始めて、花粉症症状が出てきます。

今回はスギ花粉症に対する注射の治療法についてお話いたします。

花粉症の注射治療は実は2種類あるのです。一つは当院でも行っております「アレルゲン免疫療法」です。もう一つは「ステロイド注射」で、こちらは当院では行っておりません。

花粉症に対するステロイド注射

「1回の注射で花粉症がよくなる」などと、言われてたりするものはこの治療である可能性があります。

実はこの治療方法は耳鼻咽喉科では推奨されていません。以下のような問題があるからです。

この治療の問題点は「ステロイド注射と知らずに治療されていること」、「他に治療法と比べずに1回ということだけで選んでしまっていること」であります。

1回の注射で2~3ヶ月効果が持続するということは副作用(目には見えないものも含めて)なども長期間に及ぶ可能があるといことです。また、注射するということは全身に影響が及ぶということであります。毎年、行っている人には月経の異常などを認める場合がありますので非常に注意が必要になります。

あくまでも、ステロイドは非常に効果的な薬であります。ただ単にステロイドということだけで避けることも良いことではないと考えます。大切なのは「投与方法、ステロイドの強さ、投与期間」を考えて使うことが重要な薬になります。たとえば喘息の人のステロイド吸入は非常に少ない量のステロイドを気管からのみ吸収させるということによって全身への副作用をほとんど出ないようにしてます。またアトピー性皮膚炎に対する軟膏なども5段階(非常に強い、かなり強い、強い、中ぐらい、弱い)のランクを塗る期間を考えて副作用が出ないように使用します。副作用が少なくなるようにわざと強い軟膏を短期間使用することも長い目で見ればステロイドの量を減らすために必要となってきます。

この治療法の問題点はステロイドという薬を使用することではなく、長期間続くタイプのステロイドを注射で投与するというところに問題があるということです。残念ながら花粉症が治ることもありません。

また、本来ならレーザー治療やアレルゲン免疫療法などの治療も含めて考える場合でも、「1回」という魅力的な言葉に引き寄せられてしますことにも注意しなければなりません。しっかりとその治療の欠点を確認をした上で治療法を決定しましょう。

以上のことから、当院では花粉症に対するステロイド注射は行ってないのです。

繰り返しになりますが、ステロイドはアレルギーの治療によく使われる薬になります。その特徴を考えて、上手く使えば非常に有効な薬です。

 

花粉症に対するアレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法はスギのエキスを体の中にいれることによって、スギ花粉に対して異常な免疫反応を起こしてしまったという花粉症の状態を正常な免疫機能に戻そうという治療法です。皮下法と舌下法の2種類の方法で行われています。

最近では舌下免疫療法という治療法を耳にしたことがあるかもしれません。シダトレンというスギ花粉エキスを舌の下(裏)から投与することによるアレルゲン免疫療法というのが舌下免疫療法になります。

予断になりますが、舌下は「ぜっか」と読みますが、「ぜっか」を間違えて変換すると舌禍となる場合がありますのでご注意ください。

当院でも行っている治療法ではありますが、この治療法は3年ほど前から保険適応されて開始された治療法です。

実はこの舌下免疫療法の元になった治療法が皮下免疫療法になります。スギ花粉症に対する皮下免疫療法は30年以上も前からある治療法なのですが、できる病院が限られていたためにあまり多くの病院で行ってませんでした。もちろん保険適応のある治療法です。

皮下免疫療法というのは皮下法によるアレルゲン免疫療法ということで、注射でスギエキスを徐々に増やしてながら体に入れていくことによってうまくいけば治癒まで行ける可能性がある治療法です。

注射で行うことまめに通院する必要があることがハードルとなってあまり普及しなかったのかもしれません。

当院では皮下免疫療法も舌下免疫療法もどちらも行っております。免疫療法の欠点は継続治療が必要であることです。

3~5年は治療期間が必要な治療法ですので、それぞれの特長を知って、続けやすい治療方法を選んでもらうことが大切です。

 

アレルゲン免疫療法の詳しい内容はHPの  アレルゲン免疫療法(皮下・舌下免疫療法) をご参照ください